約 70,252 件
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/302.html
前の話 617 :名無しさん@ピンキー:2014/02/19(水) 02 16 29.88 ID 5vVsjLSs 440の長門の続き投下 『長門と白い服』 「長門、それは一体なんだ?」 眉を吊り上げ、提督は秘書艦に訊ねた。 執務室のドアを開けたまま立ち止まった彼は、部屋の真ん中に佇む秘書艦へ不可解な目を向ける。 時折、この秘書艦は奇妙な行動を取り、提督を驚愕させ、放心させ、脱力させた。 戦闘開始直後、先制攻撃のチャンスを得たにもかかわらず、さほどの驚異でもない敵艦に全力の射撃を叩き込むことさえある。 駆逐艦や軽巡洋艦といった護衛艦、あるいは輸送艦などの、大戦艦級の火力を率先して叩き込むべきとは思えない敵だ。 そのような戦況報告を得意げに送って来た時には、提督はただただ呆気に取られるばかりだった。 「提督、私たちも一応は軍属だぞ。給金くらい受け取っている」 固まったまま自分を見つめる提督の前で、腰に手を当てた長門は自信満々に言った。 何を今更、とでも言いたげだ。 秘書艦は提督の前で、ファッションショーのように一回転してみせた。 彼女のなにやら自慢げな表情に困惑しつつ、提督は自分の顎に手をやった。 「買ったのか」 「こないだ見つけてな。取り置いてもらったのだ」 長門は手を伸ばした。 彼女が身に纏っているのは、洋風の婚礼衣装だった。 長いスカートの後ろには、律儀に長い裾がついている。 首筋から胸元は開いたつくりで、簡素なデザインのティアラとヴェールが頭に乗っていた。 真っ白な衣装を着た美女を足から頭まで眺めながら、提督は呟いた。 「白いな」 「うむ、白い」 相槌を打ち、長門は長いグローブを色々な角度から眺めた。 目の前に挙げた手を裏返し、また元に戻して、シルクの手袋を様々な角度から吟味する。 白い生地にルビー色の瞳を向けながら、長門は唇をほころばせた。 「アメリカか……私を核爆弾で焼き払ってくれた許しがたい連中だが、文化は光るものがある」 提督は声を出さずに微笑した。 正確には、アメリカのみならず、欧米の文化だが、細かいことは言わずにおいた。 彼は扉を閉めた。 「ドイツ語では、結婚式を“Hochzeit”――“最良の時”という」 「ほう。ドイツ人は堅苦しいと聞くが、なかなか気が利く表現ではないか」 「全員が堅苦しいわけじゃない。離婚大国だけどな」 閉めた扉に錠をおろしながら、提督は長門へ振り向いた。 「しかし、いいのか、長門?」 「何のことだ?」 「未婚の時に着ると、婚期が遅れると聞くが」 「なに!?」 くそっ。かわいいな。 歩み寄ると、提督は強張った長門の顔に手をやった。 とたんに顔を緩める彼女に、ゆっくり唇を重ねた。 秘書艦の吐息と唾液を堪能してから、提督は顔を離した。 腰に回した手で彼女を抱き寄せつつ、潤んだ瞳に問いかける。 「お前には無用の心配だろう」 「そうだな……」 彼の胸元に顔を埋め、長門は恋人をルビーのような赤い瞳で見上げた。 冷然とした美貌に、悪戯好きな色を浮かべてみせる。 「それで、なぜ鍵を閉めたのだ、提督?」 「邪魔されたくないからに決まってるだろう」 提督はまた彼女に唇を重ねた。 提督の胸に手をやり、長門はそれを享受した。 互いに舌で歯をなぞり、唇をなぞる。 「ん……あ」 長門が思わず唇を離すと、息をさせる間も惜しいとばかりに、再び唇を奪う。 腰に回した手に力がこもり、長門は提督に押しつけられる。 生地ごしに、提督の下腹部が熱くなっているのがわかる。 長門の感触を得て、彼女に奥深く押し入ることを求めていた。 「あ……ふふ、提督……」 長門は欲情に湿った息を吐いた。 スカートをめくり上げた提督が、長門の締まった太腿を撫でた。 指を弾き返す尻を揉みながら、彼は訊ねた。 「そういや、パニエは使わなかったのか」 「う……ああ、スカートの詰め物のことか? あ、ん……」 「お前なら、ああいう派手なのも似合うだろう。背も高いし」 長門はしばらく、提督に尻を遊ばれたまま甘い声で鳴いた。 やがて提督を濡れた目で一瞥し、恥ずかしそうに顔をそらした。 彼女は提督の首に手を回し、顔を彼の胸に押しつけて視界から隠してしまう。 長門は提督の胸に顔を埋めたまま答えた。 「こ、こんなことになったら、外すのが面倒ではないか……」 「お前は、実に優秀だ」 提督は長門を抱き上げた。 「きゃっ」 長門は彼女らしくない声をあげ、司令官にしがみつく。 長門が期待と興奮の目で見る前で、彼は執務室の机に花嫁衣裳の艦娘を放り出した。 仰向けに見上げる長門の上に覆いかぶさって、提督はまた唇を重ねる。 あふれた唾液を顎に一筋垂らしながら、長門は真っ赤な顔で提督を見つめる。 「提督……」 「なんだ?」 長門は真っ赤な顔で口をつぐんだ。 それから彼女は羞恥に緩み切った顔で言った。 「ら、乱暴にしないで、あなた……」 「マジでかわいいな、お前は」 提督は長門を抱きしめた。 彼の腕の中にかきつく抱きしめられて、長門は消えるような声で言った。 「あ、あなたが、なんだかいつもより乱暴だからだ……」 「悪かった。あんまりよく似合ってるからな」 「う……」 「綺麗だ、長門」 提督は彼女の頬にキスを落とした。 長門は恥ずかしそうに目を閉じてそれを受け入れる。 提督は秘書艦の耳朶に囁いた。 「愛してる」 男の腕が、ゆっくり長門の長い脚を抱え上げた。 太ももを撫でながら真っ白な下着に手をかけると、一気に引き抜いてしまう。 長門の陰部に無遠慮に手を突っ込むと、溶かすように熱い涎が指に絡んだ。 慌ただしくベルトを緩めると、待ちきれずに張りつめた男根がはね出る。 絡めた長門の液を自分になすりつけ、提督は自分を刺激し始めた。 猛り狂った先端を長門へ押し当て、提督は彼女にのみ込まれていった。 長門は極上のオイルのように、彼女へ滑り込む提督を受け止めた。 「ん……」 最奥で力強く突き上げられると、長門は黒髪をふり乱した。 その視覚だけで、男根が決壊しそうになる。 指を肩紐の合間に入れて、ゆっくり長門の胸を晒した。 また奥を突かれ、長門がかぶりを振る。眼前で、それなりの大きさの乳房が揺れた。 提督は、その揺れ動く胸を両手でつかんだ。 五指に吸いつき押し返す乳房を手中に弄び、指先で先端をこすると、秘書艦は法悦のため息をついた。 緩急をつけて自分を抱きしめる長門の中を楽しみながら、ピッチを上げていった。 額に玉の汗を浮かせた長門が訴えた。 「んっ、あ、あなた、もっと、ゆっくりっ」 「お前が、こんな服、着てくる、からだ!」 提督はますます血を滾らせて長門を味わった。 溢れ出した帯下が、彼女に突き入れている提督に絡みついて水音を立てた。 彼女に熱中する提督を、長門は存分に貪った。 長い黒髪をふり乱し、蕩けきった嬌声をあげる長門を机の上に組み敷きながら、彼は唸り声を漏らした。 限界まで張りつめた陰茎が、長門の中で震えた。 長門を抱きしめ、彼女の肩に顔を埋めながら、長い射精が彼女の子宮を穢した。 「あ、提督……く……るしい……」 力の限り抱きしめられながら、長門も長い脚で提督の腰を締めつけた。 脱力し、彼女は机の上に上半身を倒した。 火照った顔は長い髪で隠れ、表情は見えない。 乱れた花嫁衣装の胸は、彼女が呼吸するたびに揺れる。 顔から伝わった汗の雫が、胸の丸みを流れていった。 長門の姿は凄艶そのものだった。 弛緩した膣から引き抜いた後も、濡れた陰茎は名残惜しげに白い雫を吐き出し続けていた。 提督の記憶では、窓から見える景色は夕暮れだったが、すっかり夜に沈んでいた。 長門は、乱された花嫁衣装のまま、床に座り込んだ提督の肩に頭を預けている。 秘書艦は提督の説明に律儀に耳を傾けていた。 「本当なら、結婚式終わった後、花嫁姿の新婦を抱き上げて新居に入るんだ」 「ほう。そうなのか」 「今度、そうしてやる」 提督がそういってこめかみにキスすると、長門はくすぐったそうに長い睫毛を瞬かせた。 彼の首に手を回すと、長門は真紅の瞳に月を映して微笑した。 「アメリカか。私を新兵器の実験台にしてくれた許しがたい連中だが、文化は光るものがある」 「まあ、19世紀以降にヨーロッパ文化圏から影響受けないところはないよ」 das Ende/koniec/конец/おわり
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/190.html
『霧島とちゅっちゅ』 「ご苦労様」 執務室で、報告書を読みながら提督は言った。彼の艦隊は現在、北方戦域の駆逐艦作戦に向け、キス島周辺海域における駆逐艦の練度向上を行っている最中だ。 「じゃあアタッカー担当の大井さんと北上さん、入渠してきてください。その次に空爆担当の千代田と 千歳で」 「りょうかーい」 「わかりました」 「あと霧島、エンジン作るから残ってくれ」 「お任せください、司令」 秘書艦が恭順と頷く様子を尻目に、他の第一艦隊の艦娘たちは指令室を後にした。 「作れるかな」 「北方海域に備えて、できるだけ機関を作る予定なんだって。みんなの分作るらしいよー」 「さすがうちの提督、太っ腹!」 「あっ、あ、あ♪」 提督の執務室に歌声が響いた。 「もうっ司令、いい加減にしてください!」 机に向かった彼女は、いつもの装束の上だけを脱ぎ、完璧な上半身を惜しげもなく晒している。彼 女を膝の上に乗せた提督は、真っ白な霧島の肌を撫でまわし、指を霧島の胸に埋め、五指全部で 霧島の乳房を味わっていた。 「装備を開発するんじゃなかったんですか? んっ、ん♪」 呆れたように言う霧島の胸の先端を優しく抓ると、彼の膝の上で霧島は身を捩った。恥ずかしそう に声を抑える霧島を眺めながら、提督は平然と答えた。 「ここ数日、駆逐艦チームを鍛えてばかりで、秘書官と全然二人きりになれなかったからな」 言いながら提督は、まるで粘土の柔らかさを確かめる陶芸家のように、熟練した手つきで霧島の胸 を揉みまくった。緩急を交えた、妙に慣れた彼の手つきに呆れながらも、霧島は彼の指に合わせて 嬌声を漏らした。 「それにしても霧島は、全身綺麗だよね。肌も真っ白だし」 「お姉さま譲りです……やあん♪ もう司令、おっぱいばっかり触っちゃだめですっ」 「ごめんごめん、こっちも触るから」 科白の終わらないうちに、提督は片手で乳房を弄びながら、もう片方を霧島のへそのラインをなぞ るように下に降りていき、スカートの中に入っていった。 「んっ……司令、これじゃ今日中に作れなくなってしまいますよ」 割れ目をなぞる指に反応しながらも、霧島は抗議するように言った。非難がましく言いながら、手を 下の方に回して、ずっと彼女のお尻を硬く押し上げている突起に服の上から指先を這わせる。充血 してすべすべした先端をなぞり、霧島は提督に怒っているような目を向けた。 「もう、ずっとお尻にあたってます」 「俺の目の前に、こんな美人で甲斐甲斐しい秘書官がいるせいだ」 「んっ……」 今日最初のキスが落ちた。唾液を送り込み、霧島の口腔からも唾液を掬い取る濃密なキス。舌で 彼女の歯をなぞってから顔を離すと、提督は涎を唇の端から垂らして目を蕩けさせている霧島に 言った。 「君が美人なのがいけない。責任とってくれ」 「ん、や、あ♪」 乳首を指の間に挟まれ弄ばれて、霧島は澄んだソプラノで歌った。 「もう! しようのない人ですね」 提督に目を向けて、相変わらず胸を揉まれながら、霧島はわざとらしく咳払いした。 「……こほん! 確かに、司令をこんな状態で放っておいては、練度を上げている最中の子たちに手 を出して、今の訓練を台無しにするかもしれません」 霧島は白魚の指で提督の下腹部を撫でながら、情欲に濡れた目で提督を見返した。 「艦隊の頭脳と言われるよう、私が頑張って、司令が悪戯できないようにしますからね」 「さすが俺の秘書官、適切な戦況分析」 提督の膝の上からするりと降りた霧島は、粛然と彼の前に跪くと、彼の社会の窓に手を差し伸べ、 恭しい手つきでジッパーを下ろした。心底楽しそうに彼が眺める前で、霧島は期待に満ちて飛び出 してきた陰茎を目の当たりにして、呆れたようにため息をついた。 「そ、それでは……」 彼に催促されて、霧島は提督の下腹部へ顔を寄せた。頬に触れる彼の暖かい手に微笑してから、 彼女は柔らかい手で撫でさすられ、熱く脈打つ男根を間近に見つめた。 「ふふ、じゃあ、提督のチェックをさせていただきます。んっ……」 充血した鈴口にくちづけてから、霧島は期待に震える茎へ舌を這わせていった。醜悪な男根に丹 念に舌を絡める霧島を愛しげに見つめ、提督は彼女の柔らかい髪を撫でた。 「ん♪ ふふ……」 「どう? なんか調子悪そう?」 口の中で、舌を使って提督を愛していた霧島は、彼の顔を見上げると目だけで笑った。いったん 口を離すと、霧島は茎にキスしてから、楽しそうな上目遣いの目を向けた。 「いつもと同じで、わがままで素直じゃなさそうです」 「さすが、よくわかってる」 提督は霧島の頬に指を添えた。顔を上げた霧島が目を閉じると、提督は彼女の唇に自分の唇を 重ねて、自分の味がする唇を味わった。霧島は必死に彼の舌と自分の舌を絡めながら、陰茎が寂し がらないよう、柔らかく握った手で楽しませることも忘れなかった。 口の中で別の生き物のように蠢く舌を味わいながら、提督は霧島の胸の上に手を置いた。霧島の 唇からため息が漏れると、提督は舌を離して、鼻梁といわず眉といわず霧島の顔を舐める。すでに 息で曇っていた霧島の眼鏡の上を、彼の舌が這い回り、レンズをなぞって霧島の瞼を撫でた。 目元を嘗められて、霧島は飽食した猫のような声を上げた。 「やあん、提督、そんなにしちゃいやです」 「霧島は顔のつくりがいいからね。いつまでもこうしてたくなる……」 しばらく舌を絡めて遊んでいると、霧島の顔を間近に、彼はかすかに眉間にしわを寄せた。提督は 霧島の耳朶に熱い息を吹きかけた。 「霧島、もう出ちゃいそうだ。大丈夫?」 「はい、司令……このまま」 提督は霧島と舌を絡めたまま、彼女の手の中で力強く痙攣した。そして、霧島の左右の手に握ら れ、はち切れそうになっていた肉の塊から、霧島の手中に熱い飛沫が迸った。提督に唇を舌でなぞ られながら、反り返る男根の動きに合わせて手を動かした。 「ぷは、ん、あ、熱い……」 霧島が陶然と呟く間にも、提督は霧島の手の間で力強い痙攣を続け、指の間から溢れるほど精子 を吐き出し続けた。やっと終わった時には、白く濁った液は霧島の手首まで流れ落ちていた。 「もう、司令、こんなに出して……」 霧島の手中で、提督の男根は全く萎えず、新しい刺激を求めて昂っている。首筋を唇で吸われな がら、霧島はその男根を緩く握った。霧島の耳朶を嘗め、耳孔を舌で犯しながら、提督は甘く彼女 に囁いた。 「君の手があんまり気持ちよくてね。綺麗にしてくれ」 「はい……」 霧島は猫のように両手を嘗め、彼女の手を穢した液を掬い取った。霧島は蕩けた顔のまま体を折 り、促されるまま陰茎に奉仕を始めた。髪をかき上げ、残滓を口へ運び、彼に促されるまま、霧島は 液を嚥下していった。瞑目した彼女は陰茎を根元まで頬張ると、尿道を舌先でなぞって、残った精 子を吸い出していった。 「ほら霧島、おっぱいも使ってよ」 「司令……本当におっぱいばかり好きですね」 真っ白な胸に手をやると、もう力を取り戻した男根を、霧島は二つの脹らみで挟み、左右から刺激 した。歓喜に震える提督が、自分の胸の中でますます充血させていくと、霧島は胸の谷間から突き 出てきた先端にキスし、彼へ忠誠を示して見せた。 「あ、霧島、それやばい」 霧島がそのまま亀頭を嘗め回していると、提督が喜悦の呻き声を漏らし、二度目の射精が霧島の 唇へ叩き付けられた。彼女は口を離さず、舌を口腔の中で動かし、あふれ出る精液をすべて受け止 めてしまった。 口を開け、溜まった精液を満ち足りた表情の提督に見せつけてから、彼女は口を閉じ、ゆっくりと 提督の吐き出した液を嚥下していった。 椅子に座った提督の、露出した下半身の上に馬乗りになった霧島は、白い貌に艶やかな髪を貼り つかせ、半開きの唇から切なげな喘ぎを漏らし、対面座位で彼女を貫いた提督の劣情をますます 煽った。 提督は霧島の背後へ手を回すと、完璧な桃のような尻へ指を喰い込ませた。 「あっ!? 提督」 「霧島!」 「んんっ!」 提督は霧島に唇を重ね、もう片方の手で彼女を抱き寄せた。霧島を思い切り抱きしめると、豊かに 実った乳房が胸板に押し付けられた。吸い付くように柔らかい乳房の中で、肉の豆のような二つの 胸の頂が提督の胸の上を跳ねまわり、さらに彼の興奮を誘った。 提督は力強く霧島を突き上げ始めた。 「ぷはっ! んっ、あっ! さ、最初から激しすぎます、提督! んう!」 「こんな美人に我慢できるわけないだろ」 提督は霧島をまた抱き寄せ、目の前で躍っている豊かな乳房に吸い付いた。胸の中で自己主張 している先端を咥えて、舌でねぶると、霧島は提督の頭部を抱きしめて、ますます悶えた。息ですっ かりレンズを曇らせた眼鏡の奥から、舌を垂らしてだらしない表情の霧島は蕩けた声を出した。 「あんっ♪ もっと強く吸ってください、司令っ」 執拗に霧島の乳首を嘗めながら、提督は彼女の尻をつかみ、更に突き上げていった。頤をそらせ た霧島は、彼の髪に指先を埋め、その顔をはだけた胸元にさらに強く抱き寄せ、手足と股間で提督 の体をますます強く抱きしめた。 「はう……すごい、すごいですっ!」 霧島はしまいには彼の肩に手を回して、自分から尻を振り始めた。 密着した状態で、提督は霧島の首筋を吸い、鎖骨の周辺を吸い、乳房を吸い、霧島の胸元に 次々と自分の所有権を示す印をつけていった。提督は顔を離すと、濃すぎる快楽に歯を食い縛っ て、ピストン運動を加速させた。霧島の胸を滅茶苦茶に揉みしだきながら彼は言った。 「霧島! このまま中に出すぞ!」 「あっああ! だ、ダメですよ司令! 赤ちゃんができてしまいますっ!」 「ああ! きっと霧島に似て綺麗な子だ!」 髪をふり乱した霧島は、快楽にすっかり緩んだ顔で、司令官に讒言した。ところが、涎を垂らして快 楽に溺れる彼女が提督は可愛くてたまらないので、ますます陰茎をいきり立たせ、腰を振り立て、 霧島を存分に味わった。 霧島はろれつの回らない声で言った。 「あん、司令! 奥まで、奥まで来ちゃいますからあ!」 「霧島、好きだ! 愛してる!」 「も、もう! いやな人ですね!」 提督は腕を霧島に回し、顔を彼女の胸元へ埋めて、艤装を外した華奢な体を抱きしめた。均整の 取れた霧島の体は柔らかく提督を受け止めた。 瞬間、提督は霧島の胎の奥深くで決壊し、霧島の子宮をこらえようのない射精が穢した。形のいい 尻をしっかり掴み、霧島の腹の底を自分の遺伝子で染めていった。そして提督は霧島の尻に回した 手の親指を、葵色の窄まりへ突っ込み、奥へとねじ込んだ。 「あっ!? 司令っ、そこはダメえええっ!」 自分の胸に埋まった提督の頭を抱きしめたまま、霧島は目を見開いた。 「ああっ!」 自分の中で断続的に子宮を叩く感覚を感じながら、霧島も抗いようのない絶頂を迎えた。肢体全 身で提督を抱きしめ、彼女は歓喜に打ち震えた。彼女の熱い吐息を間近に感じ、提督は霧島の胸 の中で言った。 「まったく……尻の方でもこんなに喰いついて、君はとんでもない女だ」 「司令が変なことばかりさせるからですっ」 霧島が力の入っていない拳で提督の胸をたたくと、提督はその手にキスした。 「ごめんごめん。君はとんでもなく素晴らしい女性だよ」 「もう!」 べつのひ! 「いい加減にしてください! これじゃ装備の開発どころか、書類の整理だってできません!」 霧島の叱責が執務室に響いた。スカートを下ろし、胸元を緩めた彼女の背後では、後ろから彼女 と結合した提督が、激しく怒張した彼の一部を烈しく霧島に突き入れていた。 「ごめんごめん、後で手伝うから一緒にやろう」 提督は霧島の細い腰をしっかりホールドすると、ますます強く突き入れ始めた。 「そっ、そういう問題じゃあ、ん♪ あ♪ あ♪」 揺れ動く霧島の乳房を手で受け止めると、ゆさゆさと揺すって楽しみながら、提督は彼女の耳元に 唇を寄せ、耳朶を甘噛みしながら囁いた。 「霧島、愛してる」 「も、もう、本当に、データ以上にしようのない人です!」 霧島の両手首を手綱のように両手で握りしめ、提督は激しく腰を動かした。下腹部を叩き付けるた びに、霧島の柔らかな尻が弾んだ。だいぶ慣れてきた子宮の入り口を何度も突かれ、霧島は脱力し た上半身を机に倒して悶えた。 極上のオイルの中に滑り込むような快楽に神経を焼かれながら、提督はなかば本能的に腰を動か し続けたまま言った。 「霧島、逝っちまいそうだ」 半身を折った霧島は息も絶え絶えに言った。 「わ、わたしも、提督の、お、おちんちんで……いってしまいそうです」 提督は霧島の後ろ髪に鼻先を突っ込み、牛のように彼女の項を嘗めた。提督の舌に敏感に反応 する彼女の耳元に唇を寄せ、提督は囁いた。 「いいね、このまま、中で」 「し、司令、いけません、こないだだって……」 霧島の返事を待たずに、提督はラストスパートをかけた。快楽に取りつかれ、無心に腰を振る提督 の前で、こちらも半ば無意識に尻を動かしながら、霧島は机の縁を握りしめて嬌声を上げた。 「あっ! あっあっ、ああっ!」 衝撃の奔流に体を揺らしながら、霧島は絶頂へ昇りつめていった。提督は焼き切れそうな快楽に 拳を握りしめた。霧島が声を漏らし、彼女を貫いた提督を締め付けると、霧島の中でさらに長く硬く なった男根を通し、提督は霧島の奥深くに思い切り滾った劣情を撒き散らした。 霧島は汗の浮いた顔で息を吐きながら、細長い指で尻を撫でた。 「あっ、ああ……司令、おなかの中が、あたたかいです……」 なんねんかあと! 「チビはどうだった?」 「あなたに似て甘えん坊です」 「俺といるときは、君に似て落ち着いてるけどな。こいつ、猫被ってやがるな」
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/102.html
夜の鎮守府。 既に艦娘達が寝静まった後も提督の執務室だけはまだ灯りが灯っている。 いや、正確には執務室の奥にある提督の居室である。 フローリングの床には衣服が脱ぎ散らかされ、室内に響く嬌声から男女が逢瀬を楽しんでいるのがわかる。 居室にあるベッドの上で提督は秘書艦である熊野と体を重ねていた。 「てい……とく……提督っ! はぁ……あん!」 「いいぞ熊野、そのまま好きに動くんだ……」 「提督、あん……いけませんわ、今胸を触られたら……っ!ふあっ!あああっ!」 提督は自分の上でリズミカルに腰を振る熊野の胸に手を伸ばし、その小ぶりだが柔らかい乳房を揉みしだき乳首をクリクリと弄る。 それに合わせるかの如く、熊野の動きが激しくなったかと思えば次の瞬間膣内がきゅうっ!と締まり提督のペニスから精を絞り取らんとする。 (やばいな、何時も感じているのに気を抜いたらあっさり果てちまいそうになる) そう思いながらも、提督は射精しそうになるのを耐える。 まだ早い、もっと快楽を充填してから自分も熊野も満足できる絶頂を迎えたい。 そんなことを思いながら今度は空いているもう片方の手を熊野の秘部に伸ばす。 「熊野……もっと気持ちよくしてやるからな」 「提督ぅ、な、何を……ふあぁっ!そこはダメですわ!」 熊野の無毛の恥丘、その奥にあるクリトリスを提督が指でつまんでやると軽い絶頂を迎えたのか、彼女の腰の動きが一瞬止まる。 「相変わらず、感じやすいな熊野は……オマンコの締まりも最高だ」 「わたくしも……あん、提督のオチンポが気持ちよくて溺れてしまいそうです……ああっ……凄い……」 溺れる。 海ではなく、自分に溺れるという熊野の言葉に提督は(俺も同じだ)と思う。 いや、すでに彼女とこの様な関係になってから毎晩体を重ねているのだからすでに溺れるどころか轟沈しているみたいなものだ。 「提督、わたくしもう……」 そう思っているうちに、熊野の腰の動きが戻ってくる。 いや、先ほどより激しい動きになっている。 軽い絶頂が呼び水になったのだろう。 「なら、ラストスパートだな……俺もそろそろ……」 提督はそう言って熊野の下で腰を動かし、彼女を絶頂に導こうとする。 一方の熊野は不意の動きに「ひゃぁっ!」と叫ぶと体をのけ反らせた。 「て、提督っ!いきなり突き上げるなんてひどいです……あんっ!」 「熊野も今の締め付けは完全に不意打ちだぞ……そんなに締め付けたら、マジでイっちまう……」 「なら提督、いつものように膣内(なか)へ……ううん、子宮の奥まで注いで欲しいですわっ」 「俺も同じ気持ちだ。全部注ぎ込んでやるからな」 そう言うと提督は熊野の下から更にズンズンと腰を突き上げる。 突き上げる度に、肉棒の先端が熊野の子宮口をノックするのがわかった。 「提督、そんなにこすり付けられたら……気持ち良すぎて、おかしくなっちゃいますわ……提督……」 「ああ……俺も、熊野が吸い付いて離れない……最高だ」 お互いがもたらす快楽に提督と熊野はまるで一体化していくかのような感覚に襲われる。 それでも、性器の感覚だけははっきりとしていた。 やがて、快楽が絶頂に達する。 「提督、提督……私、も、う……ふあぁっ!あああああああああっ!」 「くうっ!俺も出るっ!」 絶頂に達すると同時に、熊野の膣が提督の肉棒を更に奥へ吸い込むように締め付ける。 それに合わせて提督も快楽に身を震わせて精液を熊野の膣内に解き放つ。 ドクドクと肉棒から際限なく噴出する精液が熊野の子宮へと注ぎ込まれ、受け止めきれなかった精液が結合部からあふれ出す。 それを見ながら提督は満足そうな笑みを浮かべると熊野もまた困った様に、しかし幸せそうに微笑む。 (何度も熊野の膣内に放って満たしてきたけど、この充実感だけは変わらないな……むしろ増していく一方だ) 「あ、ああ……提督の精液がいっぱい……入ってきてますわ…………んんっ!!」 それまで、快楽にうっとりとしていた熊野がいきなり何かに耐えるような表情を浮かべる。 一方の提督は、熊野のわずかに震える下腹部を見て彼女の変調が何によってもたらされたかを察した。 「我慢しなくていいぞ、ここでしても」 「ここでって、そんなこと出来ませんわ……って、提督そこはだめぇ!」 提督は熊野の乳房から手を放すと、その下腹部を軽く押す。 更に、もう一方の手を熊野の恥丘に伸ばすと、再びクリトリスを刺激する。 「ここをこうやって刺激すれば……ほら、出しちゃえよ」 「あ、ああ、提督それ以上さわられたらわたくしもう出てしま…………あ、あぁあああああ!」 ちょろっ……ちょろろろろ…… 提督がそれまで指先でこするだけだった勃起したクリトリスを指でつまんだのが決定打になったのか、熊野の尿道から愛液とは異なる黄色い液体が漏れ出す。 ぷしゃあああああああああああ…… そして、それはダムが一気に決壊するかの如く放出された。 「凄い量だな、ずっと我慢していたんだ……」 「くふぅ……おしっこが止まりませんわ……お願い……提督、見ないで……見ないでください……」 熊野が羞恥心で顔を真っ赤にしている間にも漏れ出した尿は提督の下腹部を濡らし、ベッドのシーツを黄色く染める。 「恥ずかしがらなくていいぞ、いっぱい出して気持ちよかったんだろ?」 「提督……ですがわたくし、おしっこを提督にも……」 上体を起こした提督は自分の下腹部に温かみを感じながら羞恥心で顔を真っ赤にしている熊野を抱きしめる。 「だから、いいって。熊野のお漏らしは初めてじゃないしそれに……」 「それに……なんですの?」 「こうやって熊野のおしっこがかかったってことで俺は熊野のモノって事になるわけだからな」 「もう、提督は酷いですわ。わたくしはワンちゃんではありませんことよ……」 提督の言葉に熊野は更に赤くなった顔を、提督の胸板に預ける。 だが、提督の言葉は彼女の羞恥心を薄めたのは確かなようだった。 ………………。 暫しの時間が経過し、提督と熊野はベッドに体を横たえていた。 熊野は提督に身を預け、提督も彼女の体を抱きしめている。 室内は精液と愛液と尿の混ざり合った香りが充満しているが、今の二人は気にならなかった。 この香りは二人が愛し合った証拠であり、どんな極上の香水にも勝るものなのだから。 「提督……んー、ちゅっ……」 「ん、んん……」 「んふ……ん……ちゅうっ……」 「んん……ちゅ……ふはっ」 熊野が唇を重ねてくると、提督もそれに応える形で舌を絡ませる。 唇が離れると、ほのかにローズヒップティーの香りを漂わす二人の唾液が混ざり合って糸を引いた。 「毎晩体を重ねているのに何でまだお互い求め合うんだろうな……」 「きっと、運命だと思いますわ……」 しなやかな指先で提督の胸にハートマークを描きながら熊野は嬉しそうに呟く。 「運命、か。そうかもしれないな」 「初めてお会いした時からこうなる運命だった……今はそう思えますの」 「俺は、熊野が鎮守府に来た時はこうなるなんて思ってなかったよ。秘書艦にした最初の頃が大変だったのはよく覚えているけどな」 「あら、その割にはわたくしを秘書艦にしてから他の娘と交代させなかったのはどうしてですの?」 「それは……」 「それは?」 熊野の言葉に、提督はポリポリと頬を掻いてから笑ってみせる。 そしてこう言った。 「お前に一目ぼれしたからだよ。熊野」 その言葉に対して、熊野は……。 「すぅ……すぅ……ん……」 「寝ちゃったのか……俺も寝るかな」 可愛い寝息をたてる熊野の頬にキスをした提督は彼女を抱きしめたまま眠ることにする。 朝起きたら間違いなく「提督のおかげで、寝不足でしてよ……」と言われるな。と思いながら。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3439.html
137 :リラックス:2016/04/14(木) 16 55 07 さーて、ペリー提督に苦労してもらうか。 ネタ「ペリー提督の憂鬱」 ――1853(嘉永6)年7月8日 日本 江戸湾 沖合 マシュー・ペリー代将は空を仰いで考えていた。 何故、このようなことになったのだろう、と…… 南北戦争前のアメリカにとって捕鯨とは文明的な生活を行う上で欠かすことの出来ない必需品となりつつあった。 当時、鯨油は家庭の燎火用や、また機械類に用いる潤滑油として広く利用されており、ニュー・イングランドの漁業者たちが北太平洋に進出を開始したのは一八三〇年代のかかばごろからのことであり、すでに一八五〇年のころになると、この方面の捕鯨業は最盛期をむかえていた。 しかしながら、これらの方面で活動する捕鯨船の乗組員にとって最大の問題は、燃料(石炭)、水、食糧といった物資の補給、さらに特別な荒天のばあいなどの安全な避難港の確保だった。 太平洋には、ハワイ諸島や小笠原群島のような多くの島々がある。 しかし、その多くは無人であって補給拠点としては難があり、また原住民のいるところでは船員と原住民の間にトラブルが発生することが予想された。 そこで目をつけられたのが太平洋の西側に存在する文明度の高い日本という国である。 ペリーは一八五〇年から五一年にかけての冬の間に、大統領フィルモアにあてて、日本と条約を締結するために艦隊を派遣することを意見具申している。 なお、ペリーは彼自身が造船監督官として開発した新しい蒸気船の商船隊のために、日本を中継点として中国の広東までを結ぶ、太平洋を横断する一定した航路を開拓するという展望を抱き、「やがて、この航路は、アメリカの商船で埋めつくされるようになるだろう」と言い残したとされているが、アメリカ人全体の意見としては、日本に開国を求める理由は、貿易の推進などということより、当面の捕鯨業の保護のため必要だったからに他ならないが(現にペリー自身がニューヨークの商業界が対日貿易に対してほとんど関心を示さないことを嘆いていた)。 そうしたアメリカの日本開国へ向けた関心についてはともかくとして、彼は訪日艦隊の司令官であると同時に、大統領フィルモアから日本の最高主権者に宛てた親書をたずさえる全権公使でもあった。 ペリーの海軍士官としての経歴の最後をかざる仕事となるであろう日本に開国を迫るというこの任務において、彼は重要なのは心理戦であると考えていた。 彼は出発前にシーボルトによる調停こそ拒否したものの、シーボルトの書いた日本についての記録を集め、他にもケンペルの『日本記』、ゴロウニンの『回想録』、宣教師シャルルボワの『日本史』、タルボット・ワッツの『日本及び日本人』、およびマクファーレンの『地理及び歴史から見た日本』など、およそ当時のヨーロッパ人が書いた日本に関する文献を可能な限り集めている。 そうした資料を元に、日本人が本来好奇心の強い民族であることを知り、一度それを剌激しておけば、あとは時間が問題を解決すると分析していた。 そこで新造艦に乗り、さらに小型の蒸気機関車や電信機といった物を展示公開用や土産物代わりに積みこんできて、最初の来訪は条約の本格的な交渉の下準備として、まずは日本人に米国が保有する技術とはどのような物かということを示すことを目的とし、 その後改めて手勢の全てを集めて来訪し、本格的な交渉に入るというのがペリーの考えたプランだった。 最初の来訪では相手に警告を与えるのに必要最低限な程度の兵力を見せつけて、二回目の来訪ではそれを上回る兵力を率いて不退転の意志を示すという、ペリーが得意とした武力を活用した交渉術である(この際、艦隊の威容をとりつくろう一環として乗員の服装に気を使うなど、様々な苦労が記録に残されている)。 わざわざ幕府の指定した長崎という交渉地を無視して、戦闘配置のままで江戸湾へ乗り込もうとしたのもその一環であった。 138 :リラックス:2016/04/14(木) 16 55 39 なお、ペリーは日本が有力な海軍を保有している可能性についてのデータも当然入手していたが、それは戦列艦のような大型木造帆船が主流であると判断していた。 そう判断した理由として、日本がオランダを通じて欧州の情報を収集することに意外と熱心であることを知っていたこと、更に1840年に勃発したアヘン戦争において、日本が全く介入しなかったという事実が挙げられる。 オランダが日本に送った情報には英国艦隊の情報も当然含まれていたはずで、仮に当時の英国に匹敵する艦艇を保有していた場合、英国に協力して分け前を求めようとするか、もしくは近隣に有力な海軍力を持つ国が拠点を備える事態になる可能性を懸念して英国を妨害するか、何れにしろ何かしらの介入があって然るべきであり、それが無いということは英国の艦隊に対抗するのは困難であると判断し、事態の静観を決めたからに他ならないと分析していたのだ。 彼を以ってしても予想外だったのは、そうした事情を理解している者(転生者)が相手側に存在しており、1世紀と数十年も前からこの日に備えて準備していたこと、そしてそうした連中が国内の危機意識を高めるために英国や清国を度々利用していたことだった。 航海は順調だった。 長期の航海を何度も行った経験から、たえず活発に動き回ることで部下に退屈させないよう注意 し、決して居住性が良いとは言えない船の中で、乗員の健康も常々留意していたため、病人の発生も問題になっていない。 そうして予定通りの日程で航海は進んでいたが、話が可笑しくなり始めたのは陸地が近付いてくるにつれ、水平線の向こうにポツポツと影が見えてきた時だった。 最初は岩礁か何かと見ていたが、徐々に距離が近付いて来ると、それは船であるらしいことがわかってきた。それも大きさからしてサスケハナと変わらないか、若しくはそれ以上の巨艦であった。 しかも1隻ではなく、見えるだけで最低6隻の蒸気軍艦がペリー艦隊目掛けて突き進んでくる。明らかな数の劣勢に部下たちの間にどよめきが起こるが、元々戦争が目的で来たのではなく、あくまでもまずは交渉を行うことが彼の仕事だ。 「相手方が妙な行動に出ない限り撃つな!」 予期せぬ戦いを行って部下の命を危険に曝すことも、不用意な行動をとって無為に事を荒立てることも避けるべきだった。 部下を落ち着かせつつ、望遠鏡の中で大きくなる日本艦隊の先頭艦の姿がはっきりしてきた所でペリー艦隊は騒然とした空気に包まれた。 「な、なんだあの艦はっ!?」 彼らの前に立ち塞がるはサスケハナ号の倍はあると思われる巨艦が2隻と、それに比較すれば見劣りするがそれでもミシシッピ号やサスケハナ号に匹敵すると思われる蒸気船が4隻の計6隻。 更に目を凝らすと恐るべき事実がわかってきた。 「船体が装甲されているだと?!」 この艦隊はペリー艦隊がいきなり江戸湾に来訪しようとすることを想定して、転生者が予め待機させておいた装甲艦扶桑、山城と幕府水軍としては旧式化が否めなかったが練習巡洋艦として今尚親しまれる金剛型、改金剛型巡洋艦の四隻であった。 139 :リラックス:2016/04/14(木) 16 56 04 まさかと何度も確認し、艦隊将兵皆が望遠鏡を覗き確認したが、先頭の巨艦2隻の船体は弦側に装甲が張り巡らせられていることが判明した。 なお、史実においては翌年1854年に世界で最初の装甲艦がフランスで建造されているが、これはクリミア戦争に参戦するに当たり、陸上砲台との交戦を想定して設計された110mmの鉄板で装甲された、帆走と蒸気機関併用の最高速力数ノットという、船というよりは浮き砲台とでも呼ぶべき代物である。 「なんだ、あの砲は……」 更に目を引いたのは上甲板に据え付けられている砲だった。装甲艦に備えられた主砲らしき砲は、既存のカノン砲とも彼が海軍の強化のため導入に邁進したペクサン砲とも明らかに違うグロテスクな異形を見せつけている。 呆然とするペリー艦隊に向けて、先頭の装甲艦から英文手旗信号が送られた。 時折明滅している灯火は明らかに発光信号だ。 「日本艦より手旗信号! 『ワレ、じゃぱん・ねいびー・ほーむでぃふぇんすふりーと(日本海軍本国防衛艦隊)旗艦扶桑、交渉ノ地トシテ指定シタ場所ハ長崎ノハズ。 何故ココニ現レタカ意図ヲ示サレタシ、繰リ返ス、何故ココニ現レタカ意図ヲ示サレタシ。返答無キ場合ハ侵略ノ意図有リトシテ攻撃ヲ開始スル』」 「……提督」 「どうやら奴らを過小評価し過ぎたようだな……」 明らかに自艦隊より有力な艦隊を持つ国に対して、先方の指定した交渉地を無視し、相手国の首都に向けて戦闘体制で突撃しようとしたのだ。 これは相手が格下なら威力外交として有効だが、格上か同格の相手にやれば喧嘩を売っていると取られかねない行為である。 自分が例えば、スペイン辺りの艦隊が本国の指定した交渉地を無視してチェサピーク湾に戦闘体制で突撃しようとした、などと聞かされたら間違いなくスペインに対して怒りを爆発させる自信がある。 『交渉の上で日本を開国する』という、確実に難易度の上がった任務の内容に頭痛を覚える前に、自艦隊に向けて今にも戦闘開始しかねない相手艦隊に向けて、交渉自体を御破算にせず、かつ自国の威信を傷つけず、更に相手の面子も潰さず納得させる返答を考えなければならないが。 それも可能な限り早急に。 ペリー提督の苦難に満ちた任務は始まったばかりである。 140 :リラックス:2016/04/14(木) 17 12 57 さて、言い訳 Q、何故日本が英文手旗信号を扱えるのか? A、海上版モリソン号事件を防ぐためオランダ経由で入手し、教育していました。 Q、書き出し他の作品と被ってない? A、何度か他の方のペリー提督の来訪ネタを読んだのがこの話書こうと思った理由なので、最初以外にも似たような文章になってるところがあるかもしれません Q、何故に日本艦隊はこんなけんか腰なのよ? A、いや、交渉の地を指定してるのに無視して国交を結んでいる訳でもない国の艦隊が首都(?)に向けて戦闘体制で突っ込もうとしていれば(少なくとも現場は)多少はね? Q、オランダ経由で日本が蒸気船保有している情報くらい掴めるんじゃないの? A、欧州の情勢があまりに状況が変わっても困るので日本側の要望もあってオランダが意図的にボカしました。また、アヘン戦争で介入しなかったこと、清国に対して日本があからさまに手出ししていないことによって仮に伝わったとしても眉唾物と思われています。 こんなものか…… ペクサン砲の改良型であるダールグレン砲を搭載した老k…歴戦艦とクルップ砲もどき(文政砲)を搭載した装甲艦、そして鋳鋼砲の配備されているであろう砲台を前にペリー提督の胃壁は持つのか、それは神のみぞ知る
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/386.html
※本番無しです ※メタ発言あります ※鬼畜っていえば鬼畜 イベント期間中のある日のある鎮守府 「何だよル級改って…あれもうル(イジアナ)級だろ」 「また一部の人しかわからない愚痴を…」 提督の愚痴に臨時の秘書艦である青葉が答える。 主力艦が悉く入渠しているため、しばらくは唯一無傷だった青葉を秘書艦に据えておく。 「ところで司令官」 「うん?なんだ?」 「青葉とお医者さんごっこしましょう!」 瞬間、提督は消えた。 提督と執務室の扉との距離が急速に縮む。 青葉の視神経が目の前の人間が消えたと脳に伝え、脳がそれを理解したとき、 既に提督は扉から離れ、青葉の背後に迫っている。 今の提督にとっては島風すらもナメクジに等しい。 「誰に聞いた?」 「勿論如月さんに」 扉を施錠した手で青葉の肩を掴む提督。 顔色こそ必死に取り繕っているが、冷たい汗が止まらない。 以下回想 「ども~青葉です~。さて角川のフロム買収により恐らく一番風評被害が大きいであろう如月さん、何か一言お願いします!」 「うーん、そうねぇ……ああ、そう言えばこの前司令官と(以下略」 以上回想 「と言う訳でして」 「あのロリビッチ……」 「またまた~。そのロリビッチとお医者さんごっこしたくせに」 にやにやと笑う青葉に、憮然とした顔の提督が話を続ける。 「……で?お前の目的は何だ」 この問いに青葉は少しだけ頬を赤らめながら答える。 「青葉も、司令官とそういう事したいな~」 頬を赤らめてはいるが、口に出すのも憚られると思っている訳ではない様だ。 「……そういう事とは?」 そう聞き返す提督。 何も青葉に具体的な内容を言わせることで恥ずかしがらせるようなプレイではなく、ただの時間稼ぎ。 そもそもそんなことで恥ずかしがるようならばこんな事を堂々と頼んだりはしない。 「えへへへ。司令官も知ってるくせに」 青葉も提督の考えなど分かっていると見えて、わざと勿体をつけている。 「大丈夫ですよ。如月さんはああ見えて口は堅いですから。青葉以外には喋ってませんでした」 「その口の堅い如月がなんで一番口の軽そうなお前に暴露したんだろうな?」 「むう。青葉も口は堅いですよ?司令官がお医者さんごっこしてくれれば、絶対に口外しません」 正直なところ全く信用できない。 とは言え、ここで下手に青葉の機嫌を損ねるのはまずい。 一瞬のうちにそう考えた提督は、ため息を一つつくと自分の机から半透明の液体が入った小さなビンを取り出した。 「……いいだろう」 そう呟き、振り向きざまに真後ろにいた青葉の両肩を掴んでその場に押し倒し服の中に手を入れると、指をその中に走らせる。 「ひゃ!」 咄嗟に声を上げた青葉だが、提督の動きは止まらず、腹や胸を撫でたり揉んだりしている。 ひとしきりそれらが終わった所で先程のビンに手を伸ばすと、青葉から離れて目で服を脱ぐように伝える。 上半身は一糸まとわぬ姿になった青葉に提督はビンの中身を指先につけた人差し指と中指とを先程撫でた場所に再度走らせる。 粘性の高いビンの中身は、提督が何度も指を往復させることで少しずつ青葉の体を包んでいく。 「んっ……くっ……」 指が動く度に、青葉がかすかに声を上げる。 ある程度いきわたった所で、提督は突然青葉の体に舌を這わせた。 「ふひゃああ!」 突然の行動に驚きの悲鳴を上げる青葉だったが、提督はお構いなしに青葉に塗ったビンの中身を舐めとるように何度も舌を這わせ、 青葉の上を往復する。 「ふあっ!くふぅ!ひゃあ!」 ぴちゃぴちゃと提督の舌と唾液が青葉の上で音を立て、その度に青葉が声を上げる。 (おかしいな…青葉、こんな所弱くないのに……) 青葉の頭は、いつもと違う感覚に混乱し始めていた。 青葉は腹も胸も性感帯ではないと思っていたが、今の自分は全身が性感帯になったかのようにどこを触られても快感が打ち寄せる。 (まさかこの薬が!?) 青葉の考える通り、塗りたくられていたのは即効性のある媚薬の一種。 提督の舌はこの媚薬によって即席性感帯と化した青葉の体を舐めまわしていた。 「ひぅ!ふぁあああっ!!」 舌が這い回る度に青葉の体には悶えんばかりの快楽が押し寄せている。 上気した肌は湯気に包まれ、先程以上に頬が紅潮していて、荒い息遣いが静かな執務室に響く。 提督は唐突に舌での愛撫を止めると、再びビンから薬を掬い取り、 その指を自分に向かって投げ出されている青葉の股間に潜り込ませた。 「えっ!?し、司令かふぁあああああああん!!」 指が青葉の既に濡れはじめていた膣内に擦りつけられ、ただの浅瀬を大海原へと変えていく。 トロトロと青葉の愛液が床に広がり、青葉は今日一番の絶叫を上げる。 しかし、提督はそこまでだった。 青葉から指を引き抜くと、薬のビンを元の場所にしまいに行き、倒れている青葉には目もくれない。 「司令……官?あの…」 「うん?何だ青葉」 まるでついさっきまでの現象はすべて青葉の夢だったかのように、提督はいつも通りに振る舞っている。 (焦らしてる?このまま放置するなんて、司令官は青葉が思っていた以上の鬼畜ですね) 青葉は先程からの快楽の波にもはや理性が限界に達し始めている。 「し、司令官。早く、早くぅ……」 「どうした?」 既に気が狂いそうな青葉にとって、これは拷問に等しい。 流れ出る愛液は未だ止まらず、それが太ももを濡らすことすら既に快楽になり始めている。 (司令官はどうして平然としているのですかっ!?) 提督は毎日この薬を少しずつ使って体を慣らしていくことで普通ならよがり狂うほどの量を使っても平然としていられるようになったが、 青葉は提督がそんな忍者のような事をしているなど知る由もない。 「早く、続きをっ!早く!」 「何だ?」 青葉の理性はここで限界を迎えた。 転がるようにして提督との間合いを詰めつつ飛び起きると、そのままタックルするように提督の腰にぶつかっていく。 それを受けた提督はとくに受け止める様子もなく、されるがままに仰向けになり青葉を自分の上に乗せる。 「司令官!もう青葉は我慢できません!」 カシャ 「えっ!?」 理性を完全に失ったはずの青葉の意識が、一瞬音のした提督の手に移る。 そこにはいつの間に用意したのか、小さなデジタルカメラが一台。こちらを向いている。 「…勝った」 「なっ、何を」 状況が呑み込めないでいる青葉に提督は不敵な笑みを浮かべながら今撮影したばかりの写真を見せる。 提督に馬乗りになる青葉。青葉に押し倒されている提督。 「これはどう見てもお前が俺を押し倒したように見えるよな?」 「!?」 「この写真を他の連中に見せたらどうなると思う?」 提督の狙いは初めからこの瞬間にあった。 もしこれを公表すれば、黙っていないであろう者達は青葉にも想像がつく。 「あ、あ、青葉を脅迫するおつもりですか!?」 「脅迫?いやいや、ただの取引だよ。さて俺がこの写真の事を忘れておくにはどうすればいいか?」 「くうううぅ…」 提督は取引と言ったが、「公正な」取引とは一言も言っていない。 青葉にとっては、首を縦に振る以外の選択肢など存在しないのだ。 「とは言え、このまま放置と言うのも哀れだな。よし、これをつけておけ」 そう言って青葉に渡したのは大きなバイブ。 「もうすぐ遠征が帰ってくる。それで蓋をしておかんと色々怪しまれるぞ」 「くうう…司令官の鬼、悪魔!」 「これに懲りたら、あまり人を詮索しない事だな」 何か言いたげな青葉に蓋を押し込むと、扉をたたく音が聞こえ、提督は鍵を外しに行く。 青葉ははっとして服装の乱れをただし、表情を作る。 「皆よくやってくれた。ご苦労様」 「ふふん。これくらいレディーには朝飯前よ♪」 「この次もまた私に頼ってもいいのよ!」 無邪気に喜ぶ駆逐艦たちの横で、青葉は必死に平静を装っている。 提督はその姿を横目でとらえると、机の下で密かにスイッチを押す。 「ひゃああ!!」 「青葉さん?」 「お?どうした青葉?」 「あっ、いえ!何でもありません!」 提督もまた堪えるのに必死だった。 もっとも、こっちの必死は笑いを堪えることにだが。 「うふふ。青葉さんに話しておいて良かったわ。今度は私もあのお薬使ってもらおっと♪」 終
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/582.html
前回の話 軍艦に限らず、"初期型"や似た意味の肩書きを持つものとはその能力に不安が残るのは当然の道理だが、 それでも何とかなって長く使われると言う事例のものは多い。 その例に漏れず、大日本帝国初の超弩級戦艦でありながら欠陥呼ばわりされてきた扶桑型も 多岐に及ぶ出撃や演習、遠征の甲斐あって、最近は貫禄が出てきていた。 おかげで、今日は午前のうちに南西諸島海域の敵影を鎮圧出来た。 しかし、執務を手伝う隣の山城を悟られないよう横目で見て思う。 この山城は貫禄があると思えば愛嬌もある事を最近の自分は見出してしまっている。 不自然に高い頻度で鉛筆の芯を折っては"不幸"だと呪詛のように呟きながら鉛筆を長時間削っていたり、 高い位置に置いてある書類の束を持って来させようとすると紙の雪崩が発生、 それに合わせてこけては白い山の中で"痛い"と悲痛な叫びを上げる。 今挙げた事は幾つもの逸話の極一部だが、 これだけでも山城の持つ独特の雰囲気は八分は理解出来ると言える。 山城は戦闘における練度が上がっても、根っこの部分は不変であった。 その愛嬌をもっと引き出そうと、最近は鉛筆を芯の柔らかい五Bの物に変えたり、 山城に手伝わせる書類の束を以前より分厚くした上でわざと高所に置き、 更に脚立まで紛失したように見せかけて工廠で解体して貰った事は秘密だ。 特に後者について、山城は自分と同じ位の背丈を持つ癖に、三度に一度はこけて紙に埋もれる。 ここまでやらかす頻度が高いと山城もまたわざとやっているのではないかと勘繰る。 愛嬌がある事に変わりはないが。 「……提督」 なんだ。 羨ましがっても私と同じボールペンは貸してやらないぞ。 お前に使わせると不幸故か短期間でインクが固結するに違いないんだからな。 「酷い言い方するのね。……じゃなくって」 羨ましがっていた事は否定しないのだな。 山城は私に訴えるような目付きで抗議してくる。 「提督の手が止まってます。……もしかして、提督も処理の仕方が分からない書類が出てきたとか?」 科白だけ聞けば健気に心配してくれているようにも聞こえるが、勘違いしてはいけない。 山城は私の汚点でも見つけたように にやにやした顔を向けているのだ。 此奴は私の弱みでも握りたいのだろうか。 握るのはその鉛筆と主砲の持ち手だけにしてくれ。 「別の考え事をしていただけだ。お前の助けは要らん」 「……この執務放り出していいかしら」 せっかく筆を走らせようと紙に目を落としたのに、また上げる事になった。 それはやめてくれ。 自分一人では満足に昼飯にもあり付けない。 「だったら今の発言取り消して下さいよ」 分かった。 悪かったよ、お前がいないと駄目だ。 最近は特に助けられているからな。 「も、もう。そこまで言いますか……」 山城は私から目を逸らしてそう呟いた。 そっちの方向には何もないぞ。 満更でもなさげなのはいいが、執務を再開しないか。 「は、はい。って、提督のせいなんですけ……」 ぐうぅっ。 「…………」 「…………」 なんだ。 こっちを見るな。 屁ではないぞ。 「ぷっ、あはは! まだ終わってないのに、正直ですねぇ」 五月蝿い。 空腹には逆らえんのだ。 少し早いが、昼食に……。 自分は言葉を詰まらせ、カレンダーを見やった。 そうだ。今日は土曜日ではないか。 無邪気に笑う山城に水を刺すように、思いついた名案を口にする。 「そうだな。今日は山城にカレーを作って貰おうか」 「くすくす……、え、カレーですか? 出来ませんよ、そんなの」 だろうとは思っていた。 山城に調理を手伝わせた事はなかったからだ。 だからと言ってそれを悪びれず言っていい理由にはならないぞ。 「私が作りながら教えるから。ほら行くぞ」 「提督が作るんですか!? ちょっと!」 …………………… ………… …… 「では、調理演習を始める」 提督は別の料理を仕込む間宮さんに断りを入れてから、焜炉を一つと割烹着を二つ貸してもらう事になった。 似合わない割烹着に身を包んだ提督は、本気で私の指導役を努める気の様子。 でも、それなら厨房を仕切っている間宮さんに教わった方がいいんじゃ……。 「間宮は見ての通り忙しいんだから駄目だ。カレーなら私でも上手くできる」 「いえ、後は煮込み作業だけなので忙しくはないんですけどね」 間宮さん、こう言ってますけど。 「……いいから始めるぞ」 提督は姿勢を揺るがせずに、迷わず戸棚や冷蔵庫から包丁や食材を取り出し始めた。 間宮さんも本当にやる事は終わらせたようで、提督に何も口出しせず黙って見ている。 私は間宮さんに近寄り小声で話しかける。 「間宮さん、大丈夫なの? 提督が料理なんて……」 「提督さんは出来る方ですよ。 特にカレーは自分好みの味がいい、って、ルウや食材を指定してまで秘書さんに教えてるんです」 間宮さんから教わろうとする私を止めたのはそういう理由だったのか。 我儘なところがあるのね。 でもこれって、私達艦も食べて良いように多めに作るんですよね? 提督好みの味にしちゃっていいの? 「提督さんのカレーは辛くないですし、味も良いので皆さんには受け入れられています」 「何を話している?」 「へっ!?」 私は素っ頓狂な声を上げた。 提督は馬鈴薯と包丁を手に持って、怪訝な顔付きで私達を見ている。 顔付きは険しいのに、割烹着と両手の物のせいで間抜けだ。 「ほら、山城さん」 私だけに聞こえる声で、間宮さんがとんと私の背を小さく叩く。 それに押されるように私は提督の傍に寄った。 「間宮の負担を軽減する為だ。しっかり覚えるんだぞ。まず馬鈴薯の皮剥きからだ」 壁にかかっている皮剥きの道具は無視ですかそうですか。 初っ端からハードルの高さを前に、私はやる前から根を上げたい思いに包まれた。 かつて鬼呼ばわりされていた私でも、戦争とは無縁のこう言った事に関しては何の予習もしていない。 「なんで人参は皮剥きの道具使って馬鈴薯は使わないのよ……」 「馬鈴薯は凸凹しているから大して効果はない。因みにそれはピーラーと言う」 ご丁寧に器具の名前まで教える提督は、人参の皮を剥く私の横で私の手付きを睨んでいた。 少しやり辛い。 それでも馬鈴薯に比べれば楽だ。 人参の皮はピーラーによってするすると簡単に剥けてくれる。 対して馬鈴薯の方は目も当てられない形に変えられた。 提督の手付きは確かなものだったけど、見ただけで会得出来るわけがない。 自分の不運さを恐れた私は、何も起きないようおっかない手付きで包丁を扱い、身も多く削って皮を向いた。 案の定、馬鈴薯は小さくなった。 馬鈴薯と同じ要領で、乱切りとかいう切り方でさっさと切ってまな板の脇に寄せる。 まな板が狭くなってきた。 「おっと、鍋を出してなかった。山城、そこの戸棚から鍋を」 忘れていたように提督が指を差す。 そこは頭より僅かに高い位置にある上の戸棚だった。 場所も覚えろという事だろう。 間宮さんより背丈ある私は台を探す手間を惜しみ、腕を伸ばして把手を引いた。 すると。 がらがらがしゃーん!! 「いっ! 痛い! ……やっぱり不幸だわ……」 戸棚を開くや否や、いくつもの金物が一丸となって私を襲ったのだ。 最初に一撃を頭にもらって床に尻餅を付いただけでは許されず、 更に多くの金物の雪崩が私や床に降り掛かる。 床に落ちた物は耳をつんざく不快な音で耳を攻撃してくれた。 私を心配する一人と一隻が慌ただしく私に近寄る。 「山城さん、怪我はない?」 間宮さんが、申し訳なさそうに私を見つめている。 戸棚を開けた直後の刹那、いくつもの鍋が整然と積まれていたのを見えた私は、間宮さんを責める気は起きなかった。 大丈夫よ。間宮さんは悪くない。 私の不幸が招いたんだし、寧ろ傍に間宮さんがいなくて良かった。 「大丈夫か!?」 提督は必死の形相で私を見つめている。 こんな事は日常茶飯事なのに、まして敵駆逐艦に攻撃されるよりも軽い程度なのに、 提督の形相は私が敵戦艦から被弾されたときと同じだった。 馬鹿じゃないの。 何の問題もない意を伝えて頭に乗った鍋を退かす。 「あ、山城……」 提督が何かに気づいたように私の名前を呼び、不意に手を伸ばしてきた。 何故か、スロー再生されているような感覚に陥る。 そのとき私は秘書に舞い戻ってすぐの、あの出来事が脳裏に浮かび上がっていたのだ。 あのときと違い恐怖感は感じていないが、咄嗟の事で私は目を瞑る。 ――な、撫でられ―― 「……?」 目を開く。 提督が撫でているのは、艦娘として蘇ってから持った頭部ではなかった。 私が艦の頃からの頭部。 提督は私の艦橋を触っていた。 迎撃しようとしていた私は、思わぬ勘違いをやっと自覚し、羞恥に悶える。 これではまるで期待していたみたいで……。 「艦橋が壊れているじゃないか」 「え? ……」 一先ず調子を取り戻そうとする前に、提督の言葉に私は耳を疑った。 呆けて自分の頭にそびえ立っているはずの艦橋の具合を確かめようと手を伸ばす。 ぴと。 「……っ!」 ――い、今提督の指に当たった? 当たった!?―― 硬い鉄の感触だと思ったら感じたのは柔らかくはない肉の感触。 私はたったそれだけの事に驚いて手をさっと引っ込めた。 提督もまた私の様子に驚いたように手を引いた。 訪れる謎の沈黙。 どうしよう、この展開。 ほら、後ろの間宮さんも微笑ましいものでも見るようないやらしい目になってるわ。 提督は早く何か言って下さいよ。 「……か、艦橋はデリケートだから、あまり触らないで頂けますか」 あれ。 冷静に動転した私は、誰かの科白を引用、というより盗用してしまったような気がする。 私が不幸で間抜けな姿を晒してしまった事が。 心配してくれる提督が私の繊細な艤装に触れた事が。 提督の手と私の手が当たってしまった事が。 多くの要因が重なって羞恥に悶え、少し汗ばむ程に顔を熱くさせる。 心配する提督の手を突っぱねるように頭を小さく振るが、 提督は提督でどう反応したらいいか困ったように言葉が出ないらしい。 間宮さんの鶴の一声があるまで、私と提督は沈黙の渦潮に巻き込まれたままでいた。 間宮さんが鍋の山を戸棚に戻し始め、 それに合わせて普段の調子を取り戻した提督のおかげで作業は再開された。 不幸ぎりぎりの淵を歩くように危なっかしくも下ごしらえを済ませる。 鍋を焜炉に設置し、仕込み作業も終えて煮詰めてゆくだけとなった頃、時計は正午を過ぎていた。 灰汁もそれなりに取り除き、具材に火が通るまでの時間が退屈だ。 「カレーの隠し味に、チーズや蜂蜜を入れる手もあるそうですよ」 「色々あるんだな。私はチョコレートを入れる話を小耳に挟んだ程度でよく分からなくて……」 鍋を注意深くじっと見つめる振りで、私は提督と間宮さんの談話に耳を傾けていた。 間宮さんと料理談義なんか出来る提督と違い、私は経験がないからそんな話は出来ない。 置き去りにされた心境だ。 楽しげに にこにこ笑う間宮さんの隣で、私に背を向ける提督がどんな顔で談話に励んでいるか分からない。 この境遇に私は不満を覚えるようになってくる。 決めた日の深夜には誰もいない海辺で提督ともやもやを共有しているのに、 私だけがこのもやもやを味わうのは初めてのことだった。 非常に気に入らない。 これも自分の招いた不幸というやつなのか。 でもカレーを作ると言い出したのは提督だし。 私はカレーが煮上がるまで、こうした煮え切らない思いを誰にも気づかれずふつふつと一人煮込んでいた。 「どうだ?」 「美味しいです……」 皿によそったカレーライスを口に含み、代わりに私は提督がお望みだろう言葉を口にする。 実際美味しいと言えば美味しいのだけど、私は未だに煮え切らない思いを抱えていて、 笑って喜ぶほど味は伝わってこない。 自分の声が著しく低くなっているのが自覚できる。 私のそんな調子を知らない提督は首を傾げ、自身の分を口に運ぶ。 「こんなものだな。今は一先ずカレーだけでいいから、山城もこれくらいの出来を目指して欲しい。 私も演習は付き合うから」 山城"も"。 敵艦が放って私に向かってくる弾丸をぼけっと見つめていたり、 降ってくる書類や艤装や鍋の山に反応出来なかったりするくせに、提督の言葉に私は敏感に反応した。 "も"という辺り、また間宮さんも言っていたように提督は色んな艦と演習をしてきたんだ。 提督がそういった意味で放った証拠や確信はないのに、私は勝手にそう思い込む。 「……随分と、間宮さんと仲が良いんですね」 ――私情で艦と談笑に励む姿なんか全く見せないくせに―― 私は言葉の後に心の中でこんな嫌味を付け加えた。 私だけだと思っていた。 出撃や作戦会議以外の用事で艦娘を呼び付けることがなく、 たまに工廠へ行けば建造の指示を出し、入渠中の艦娘がいる修復ドックへは近づこうとせず、 毎日足を運ぶ食堂も注文して完食して挨拶だけして終わり。 多くの艦から提督への印象を推測すると、"普通の上官"でしかないだろう。 今までそう思っていた。 「うん? 偶に話す程度だよ」 食事の時間のためか、提督の口調は煮通った馬鈴薯のように柔らかい。 "偶に話す"にしてはカレーの煮込み時間を有効に潰してましたね。 数ヶ月秘書を続けても、提督の知らない部分はまだまだあるようだった。 厨房に張り付いている間宮さんの方が、私より知っているんじゃないか。 空いた時間に提督と談笑できる事と、できない事。 この事柄だけでもその差をよく表している。 私は考え事をしながらもそもそと口を動かしているが、提督はもう皿の半分は消費したようだった。 そして不意に口を開く。 「近いうちに山城の作る美味いカレーを食べたいものだな」 間宮さんが言っていた言葉を思い出す。 提督は間宮さんを気遣う事を言っていたけど、本心はこの科白なんだろうか。 腹で鳴いた虫を押さえつけて私に指導するくらいだし。 私の願いを受理しそのまま数ヶ月経つ時点でそうなのだけど、嫌われているというのは私の思い違いで、 こう言われてやっぱり提督から悪くは思われていない事を改めて噛み締める。 不思議と陰鬱な気分はどこかへ吹き飛び、提督を見上げた。 提督は、少し照れ臭そうに口角を上げていた。 私は湧き出た感情をよく分からないながらも素直に受け入れ、顔には出さずに思う。 やっぱりこの人なら、私に幸せをもたらしてくれるに違いない、と。 …………………… ………… …… 演習を終え、執務を終え、明石さんに欠けた分の艦橋を作ってもらい、今日やらなければいけないことは終わった。 夕飯も済ませ、一日の疲れをドックにてお湯で流してみれば、海は不気味な闇に包まれたばかりだった。 だが、かつての悪夢の舞台であった海のことなんか全く気にせず、 私は私なりに身の清め方を念入りに考えながらドックに入り浸っていたことを振り返る。 普段通りに疲れを流して早々と出て行った姉が、 自室で再会してみれば普段よりも早く眠りに就いていたのが不思議だったが、 私は眠る姉に小声で謝罪の言葉をかけてきた。 日付が変わるのを待たずに、誰もいない執務室の奥の扉を叩き、最早慣れた言葉をかける。 「今日も、月が綺麗ですね」 『…………。そうかもな』 沈黙の後、扉越しで入室の許可が降りたので、私は扉を開けた。 提督は、起き上がって寝具に腰掛けて待ち伏せていた。 じっと提督の目を見つめ、後に引けないよう後ろ手に扉を閉める。 「前に私がお願いしたことの三つ目、覚えてますか」 「……よく覚えているよ」 提督は、今更何を言い出すのだろうとでも言いたげに少し間を置いてから返した。 今更なのは私もよく分かっているけど、構わず俯くように頭を下げる。 「ごめんなさい。あのとき私は自分と提督に嘘をついていました。 ……でも、あのときから私は自分にとっての幸福を考えてきたんです」 今までの事を振り返ってみれば思い浮かぶのは、後継の戦艦組のこと。 私の練度は上がってきたが、元々の性能に大きな高低差があるので結局は勝てない。 練度があの戦艦組より上になっても、 敵艦を一撃で葬れる能力に勝ることはできない。 練度を上げれば上げるほど私の実力を明確に見つめられるようになっていき、 私の劣等感はますます強くなってきたのだ。 いくら頑張ったところで生まれ持った錘は断ち切れない。 「もう不幸から抜け出す事は諦めましたけど、それが辛くなくなるくらいの幸福が欲しいんです」 近代化改装を行えば別の欠陥が浮き彫りになる経緯を嫌というほど歩んできた私。 一度死んでから艦娘として蘇生されても、私が"山城"である以上、ついて回る欠陥の肩書きからは逃れられなかった。 私はその事を悟った。 だから、もう"山城"なんてどうでもいい。 解体されて艦娘としての戸籍を失ってもいい。 私はそういう気持ちで提督に追加でお願いをする。 「……おいで」 黙って話を聞いていた提督が私を招く。 よく分からないまま、私は寝具をぽんぽん叩く提督に従い、上がり込んで横になった。 それを見届けてから、提督も同じように狭い寝具に潜る。 私と距離を開けるように落ちそうなくらいに寝具の端で横になり、布団をかけてしまった。 「……え?」 素っ気なく天井を向く提督の意図が分からない。 私の話が聞こえなかったのだろうか。 横顔を見せる提督はそのまま不意に口を開いた。 「こういうのも、幸せの一つだと思うんだが」 私は頭が真っ白になった。 これが私の望んでいたことだと? ふざけないで下さいよ。 私は提督の作戦に、初めて異議を唱える。 「……!」 私は、ばさっと提督のかけた布団を乱暴に退かした。 床に落ちたが汚れることなんか気にせず、 私は提督に馬乗りになってその両手首を鬱血するほど握り締め寝具に強く押し付ける。 思いのままに激情で声を荒げる。 「私じゃ駄目なんですか!?」 「確かに私は欠陥ですけど! 一回くらい大きな幸せを望んだっていいじゃない!」 「落ち着け」 だが、馬乗りにされて身動きの自由を奪われても提督は抵抗しない。 見下ろす私を睨みつけることもしない。 ただ真顔で私の目を見つめるだけ。 ただ静かな声で私を嗜めるだけ。 「別に山城が幸せになっちゃいけない訳じゃない」 「私が他人に幸せなんか与えられると思ってないだけだよ」 私はそれを聞いて、艦橋に昇っていた血が引いていく感覚を覚えた。 すーっと冷静になった私は改めて提督の目を覗く。 提督はあくまでも他人事のような口調でいたが、言霊とは不思議なもので、 そんな嘲笑うような話を聞くと提督の目から覇気がなくなっているように見える。 提督はやっぱり、根っこのところは私と似ている。 この人も結局は自信なんかないのか。 この湧き起こる感情はなんだろう。 同情ではないはずだ。 そういった哀しい気持ちではない。 私はこうして馬乗りになっていなければどこかへ消え入りそうな提督に、鎖になるような言葉をかける。 「私の幸福のためには、提督が必要なんです。私に幸せを教えて欲しいんです」 「提督の手で、私を近代化改装して下さい」 …………………… ………… …… 提督は再び寝具に横たわるよう指示したが、今度はしっかりと私に向き合ってくれている。 巫女服の帯を外され、前を肌蹴させられる。 まるで明石さんや妖精さんに見て貰っているみたい。 でも全然違う。 「ど、どうですか? 私の艦体、欠陥とかありませんか……」 恥ずかしい。 欠陥持ちの自身を提督に全て曝け出すのに抵抗が全くないと言えば嘘になる。 自信なんかなくて、晒された胸を、腹を両手で隠す。 「確かにお前は欠陥持ちなのかもしれないな」 私を見下ろす提督は無慈悲にもこう放った。 とてもぶっきらぼうで、心のどこかでそれを否定してほしかったと悲しむ自分がいる。 だけど、提督の言葉はそれで終わりではなかった。 「只、それ以上に山城には魅力を感じる」 ――やっぱり、反則だわ―― 私の凝り固まっている心と身体は、いとも容易く提督に解されていった。 私の身体が欠陥持ちなせいで、簡単に弾薬庫に引火する。 消火もままならず、優しいながらもその中に激しさを含んだ手付きで提督は私を溶かし、 新たな形へと近代化改装させていく。 私の身体が私の身体でないみたいに、提督のものになったようになる。 自分の制御が全く出来なくなり、 熱い海に漂流したころ、提督は一旦手を離して意味の分からないことを囁く。 「あのな。本当の夜戦というのは、ここからなんだよ」 「はぁ……、はぁ……。え……?」 夜戦? 近代化改装? もうどっちだか分からない。 どっちでもいい。 ぼんやりした頭では考えられない。 とっくの昔にスカートを外され、色気皆無の褌も緩められ、 何も遮るものがない私の足の間を提督は割って入ってくる。 次は何が来るのかと予想もできないまま、私は突然もたらされた痛みに悶えた。 「痛っ、ぃ……! やっぱりふこっ……、だわ……!」 苦しい。息が乱れる。 悲鳴を上げずにいられない。 寝具の布にぎゅっと捕まる。 強く瞑った両目のうちの片目を開けてみると、私の下腹部と提督の下腹部がくっついていた。 いつの間にか肌蹴ていた提督の下腹部から伸びる砲身が、直に私を貫いていた。 「辛いか……抜こうか」 提督が下腹部を引こうとする。 ずずっ、と、狭い私の中を提督の硬い砲身は動く。 痛いにも関わらず、私は反射的に声を絞り出す。 「あっ……、だ、駄目です……。幸せのためなら、これくらいの痛み……っ、 ひっ、ぐ……、ここまで来て、やめるなんて……!」 「……ゆっくり進めるから、我慢してくれ」 提督はそれだけ呟いて、引いたそれを再び私の中に押し込む。 潤滑油が不足しているというよりも私の中が狭すぎる故か、動きは良くない。 「ぁ、あぁっ、いや、いやぁ、あぁ、ああぁあぁ……」 やめてほしい。やめてほしくない。 私の葛藤は互いに勝敗が決まらず、その戦況が自然と口で提督に報告される。 ぐちゃぐちゃになった思考は提督にずんずんと突かれることで、更に攪拌されてゆく。 いつまで経ってもそんな調子でいる私に痺れを切らしたように、提督は行動に出る。 みっともなく揺れる私の胸を。 忙しなく左右に振る私の頭を。 提督は情を込めた手付きで私を扱ってくれる。 大切にされている。 乱れる心情の中、提督の思いは一直線に私の中を貫いた。 私の奥に、提督の熱いものが、熱い思いが、絶えず何度も何度も強い衝撃で届けられる。 「あっ! あう! んっ、んんっ、んや、や、ぁ、私、こんなのっ、知らな、いぃっ!」 どれくらい突かれただろう。 いつの間にか私は苦痛から解放されて、脇目を振らず声を上げていた。 提督の動きも速いものに変わっている。 私がそれを止める選択肢はなく、全ては提督に託している。 身体全体の、特に下腹部の熱が提督の動きに合わせてじんじんと脈打つ。 もうこれ以上は無理だと訴えかける奥底の私の小さな叫びは伝わることなく、無理矢理上り詰めていく。 そして。 「くっ……!」 「あっ……、ああああああぁぁっ!!」 提督が砲身を私の奥に叩きつけ、硬直した。 提督の砲身が私の中で膨らみ、その直後、私の最奥を熱い何かが満たしてゆく。 私の弾薬庫はそれに引火し、爆発を起こした。 全身が痙攣する。 提督から発射された弾丸を愚直に受け止め、私は何もできない。 しばらくして提督の砲撃はやっと収まり、やがて砲身が私の中から抜き出された。 「はあ、はあ……。近代化改装、これで、いいだろう……?」 提督はそんなことを聞いてくる。 成功したと思う。 提督の熱いものは貰ったし。 しんどかったけど、最後はその、気持ち、良かったし……。 確かに、幸せ、だった。 しかし私は息を荒げながら小さく顎を引くだけしかできず、息を整えたときにはもう意識が落ちていた。 …………………… ………… …… 翌日。 何事もなかったかのように朝は始まった。 実戦の先駆けに演習を行うと、とても調子がいい中勝利判定を得られた。 気を良くした提督は、褒められて気を良くする私に、 私だけに分かるようなほんの僅かな程度に含み笑いを浮かべて言う。 「山城は昨日久し振りに近代化改装したからな。頑張るんだぞ」 私が昔に近代化改装の限界を迎えている事を知っている随伴艦は戸惑う。 姉はどうなのか分からないけど、そんな姉含む随伴艦の様子を尻目に私は密かに優越感を感じていた。 ずっと前は責任感だとか義務感だとかで海へ出ていたけど、今は違う。 ついてきてくれる姉に褒められたくて。 帰りを待つ提督に褒められたくて。 姉や随伴艦を率いて、暁の水平線に勝利を刻む約束を、提督と刻む。 「提督……山城、必ず帰ってきます」 私は艦隊の先頭に立ち、岸壁から海面へ意気揚々と進水した。 陰りない朝日が、海面の波をきらきらと白く輝かせているのが眩しかった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/340.html
388 :加賀×提督:2014/03/31(月) 23 12 03.78 ID xh6bPiF1 加賀×ヤリチン提督です ヤリチン嫌いな人はスルーよろしく 午後十時を回った頃。 執務室には秘書艦の席には加賀が、提督席は空いていた。 「はぁ…」 加賀はため息をつく。また今日もだ。 執務室は和室で、シンプルな布団が折りたたまれている。 秘書艦の仕事は提督の執務の補佐以外にも、提督の身の回りの世話、その中には当然、掃除も含まれている。 几帳面な加賀は、和室に布団、謎の紅茶セットなどが雑多に置かれたこの部屋も、 綺麗に片付けていた。そのあたりも考慮しての安定した秘書艦の立場なのかもしれない。 ここの提督は女癖が悪い。艦娘たちも次々食い散らかしているようだ。 それでも彼女たちが提督を慕うのは、指揮官としてのオーラと、無駄に整った顔、鍛えあげられた筋肉、 そしてそれなりの頭脳と身分、優しさがあるからであろう。 「…」 コツ、コツとペンで何もない机を加賀が叩く。今日の執務は終わったのだ。 それなのに不満そうな顔をしているのは、提督が自分には全く見向きもしないからである。 ガチャン、とその時扉が開いた。 「ふぁーああぁ疲れたなぁもぉー!」 欠伸をしながらだらしない寝巻き姿で提督が現れる。服があちこち濡れているのは、風呂上りだろう。 「あら、おかえりなさい」 今日は誰を抱いてからここに来たのだろう、と加賀は考えていた。声にも不機嫌が出てしまう。 大抵、ここに来るときは、あとは寝るだけの状態だ。執務室の番が終わり、加賀はいつも自室に帰る。 赤城か、鈴谷か、それとも金剛か… 提督がいつものように眠気まなこで加賀に話しかける。 「おつかれ。加賀、」 「夜戦ですか?お断りします」 「は?」 唐突に回答を叩きつける加賀に、提督は意外そうな目で返した。 「先ほどは、どなたとお楽しみで?」 提督はそれを無視して机へと仰け反る。加賀を一瞥する目が「どうでもいいからはよ帰れ」と言っているようだ。 「えらくお疲れのようで。さぞ良い運動になったんでしょう?」 加賀が席を立ち、提督の席へとスタスタと詰め寄る。 「加賀…お前随分不機嫌だな。怒ってるだろ?」 「はい、頭にきました」 「何でよ?」 「提督の女遊びは度を過ぎているのではなくて?軍紀に影響します。謹んでいただきたいわ」 提督は姿勢一つ崩さず、そのまま加賀の方も向かず机に肘を突いて答える。 「別に良いじゃないか。あいつらも満足してるんだし…赤城だってそう言ってるだろ? スキンシップは重要だしな、お互い溜め込むのも良くないってもんだ」 『俺良いこと言った』という顔をしてのけぞる提督に、加賀が詰め寄る。 「ま、まさか駆逐艦の子にも手を出しているのでは…?」 「…そんな事はしねぇよ。俺はせいぜい軽巡ぐらいまでだ。天龍あたりは最高だな。 あ、鈴谷はもっとたまんないねぇ」 「…」 加賀が無言で、座っている提督の両肩を抑えつける。 防具や前かけは外しているので、豊かなタンクが両方、提督の肩に押し付けられた。 「何?肩は凝ってないから、寝て良いぞ」 「…」 「あぁ、悪かったって。こういう話はあんまりしないから」 強くタンクを押し付け、加賀が口を開く 「…私が怒っているのは、『何で私に手を出さないのか』なのだけれど」 「提督が秘書艦に手を出しちゃいかんだろ」 「はぁ?」 「だってさ、執務に影響するじゃん?加賀を秘書艦にしたのも、お前が真面目そうだから」 ぐすん。 提督の頭に加賀の涙が落ちる。そして首が締め付けられた。 「…私だって…」 「…?!」 「私だって、『愛されたい』…だって、艦娘だもの」 次々落ちる加賀の涙。そして… 「!」 提督が不意に加賀の唇を奪う。 「これで…良いか?」 しばらくの間、ぴちゃ、ぴちゃと接吻の音が部屋を満たした。 加賀が提督の唇を奪い返し、執拗に舌を絡めたからだ。 「加賀、顔が赤いぞ…もう帰ったらどうだ?」 「ダメです」 「何故…?」 「大好きだから。提督に愛してもらえるなら何でもします。ここは譲れません」 「もう満足しただろ?俺はもう寝…」 不意に加賀が提督の股間に手を伸ばし、隆起したモノを掴む。 「『ここ』は満足してないのではなくて?」 「…」 「…っ!」 それが合図となった。加賀のタンクにすっかり理性をやられ、既に我慢の限界だったのだ。 「あっ…!」 立ち上がった提督は加賀に接吻すると、頬とうなじを撫で、そのまま衣服の紐に手をかけて 加賀をあっという間に裸にしてしまった。 大きな二つのタンクが露になり、体はオイルで湿って艶かしく光り、下着は既に濡れている。 提督は自分の肩に加賀を寄りかからせるようにして、接吻を続けながら片手でタンクから格納庫へと手を這わせた。 太い指がテクニカルに出入りする。 「…あ、や…やぁん…!」 頃合を見て提督は加賀をそっと抱きかかえる。 艦娘の中では重量はある方ではあるが、提督は並外れた筋肉によって片手で担ぎ揚げてしまった。 布団を器用に広げると加賀をそこにそっと下ろし、下着をずり下ろす。 「あ…そこは」 提督は一瞬で寝巻きを脱ぐと、加賀に巨大な主砲を向けた。 「加賀、良いのか…? もう後戻りはできない、俺はできれば秘書艦を汚したくないんだ…」 加賀はあまりの感激と興奮で、我を忘れて股を開いて提督を誘っていた。 あまりにも立派な肉体と逞しい主砲に、寂しさが暴発しそうだった。提督を自分のものにしたい。 「見ての通り、気分が高揚しています…早く抱いてください」 「し、知らないぞ。俺は今日は誰も抱いてないんだ。お前を壊してしまうかもしれない。それでも良いのか?」 「良かった…ずっとこうなる事、夢見ていたんです。あっ…んっ…さぁ、早く…っ!」 その一言で提督の理性は完全に吹き飛ばされた。 「あっ、あ…あぁぁぁああん…っ!」 提督は加賀に己の逸物を深々と突き入れると、まずはタンクにむしゃぶりつき、次々に加賀を蹂躙していった。 腰と腰がぶつかり合い、肉と肉が躍動するあまりの激しい夜戦に、加賀は破瓜の痛みなどはすぐに快感にしてしまっていた。 「オォォ…おぉぉ…」 「あっ、あっ、アァァァ…」 提督室に雄と雌の交わる声が響き渡っていた。 主砲と格納庫がギチギチと音を立てる。提督の筋肉が躍動し、加賀のタンクが揺れる。 提督は加賀に3回の直接砲撃を行い、子種で格納庫内部を満たした。 それでもなお、提督の逸物は仰角を続けている。 「あっ、あっ…あっ…アアアーーーンッ!!」 提督の手で掴み切れていない巨大なタンクがバウンドし、指に絡んでそれは形を変えていく。 お互いの腰が振るえ、加賀が大きく仰け反ると、提督は4度目の射撃を放っていった。 加賀の体が痙攣し、ガクリと体を提督に預けた。 「やってしまった…ついに秘書艦まで…」 半萎えになった主砲を加賀から引き抜くと、とうとう彼女を汚してしまった罪悪感に包まれた。 加賀はというと、体を上下させながらも、まだ頬を紅潮させ、満足そうである。 「…やりました」 寝言なのか、加賀が目を閉じたままそう言ったのを聞いた。 「こりゃ風邪引くな…」 提督がそっと加賀に毛布をかける。 大破させてしまった以上、今日は加賀をここで入渠させなければならない。 提督は寝巻きをつけてそっと執務室を後にし、再び風呂に入ると、 たまたま一緒にいた赤城と酒を飲み交わしながらさっきの話をし、その後滅茶苦茶夜戦した。 + 後書き 392 :加賀×提督:2014/03/31(月) 23 16 31.54 ID xh6bPiF1 以上、色々溜まってる加賀さん×ヤリチン提督でした。 そのうちこれの対の話になる加賀×童貞提督も余裕あったら書きます。 ヤリチン嫌いな人には失礼
https://w.atwiki.jp/dngssonenight/pages/26.html
「提督」プロローグ 「新潟を監視する為の軍事基地の開設、但し費用は武田幕府持ち。開拓済み範囲の蝦夷の共同管理。横浜他、五大港の開港。主要24分野における関税の撤廃……」 手元の資料から目を外し、和服の老人が長い髭を撫ぜる。 「要求は以上かね?」 問い掛けの言葉は短く、厳しい。 「OH!YES!、細かくハ、モット色々アリマスが大マカには、そんな所デスね」 しかし答えた男は、ひりついた雰囲気などどこ吹く風と言った具合に、能天気に言葉を返す。 サングラスを掛けた男の軽い声色に、室内の空気は重く沈んだ。老人の後ろに佇む近侍達が不快感をあらわにする。 「つまりは、米国に最恵国待遇を与えろと、……そういう事じゃな?」 「オウイェ、思ったより話が分かるジャナイですか、…………」 男は口の中で、「猿の癖に」という呟きを噛み殺した。今はまだ挑発すべき時では無い。 「巫山戯るな、こんな要求が通るとでも思っているのか」 恐らく、この場で一番若いであろう青年が怒気を孕んだ声と共に立ち上がる。だが…… 「控えよ……」 「し、しかし、天海様」 天海と呼ばれた老人は、手と言葉で青年を制した。 そう、この老人こそ真田十勇士の一人にして武田幕府の重臣、南光坊天海である。 天海は、もう一度資料に目を通す。 「ふぇっふぇっふぇ、幾らこやつらが阿呆でも、こいつがそっくりそのまま通るとは思うとらんよ」 すっかり緩くなった茶を啜りながら、手元の紙を筒状に丸め、自分の肩をぽんぽんと叩く。 「流石に、手土産の一つや二つは持ってきとるじゃろ?、まずはそいつを卓に置いてもらわんことには話にもならんわのう」 察しのいい爺だと男は小さく独りごちた、こちらの思惑はお見通しという訳だ。 「アーハー、そうデスね。皇帝陛下からはハワイを割譲してモ良いとお言葉を賜っテいマス」 「ほう……」 天海の眉が初めてピクリと動いた。 「ハワイか、ハワイのう……ハワイはアレにはせんのか」 部屋の窓の外をちらりと眺め、皮肉めいた苦笑を浮かべる。その視線の先に映る物は…… 「ハワイは、島が多イデスから。採算が取れまセン」 大袈裟に肩を竦めて見せる男、表情は笑っていない。 「ふぅーむ、しかしハワイだけかい。些か釣り合いが取れんのう」 値踏みする様に天海は男の目を覗き込む。 「ナンなら、アラスカもプレゼントしまショーか?」 ジョークめかして男が返す、やはり表情は笑っていない。 「ふん、そんな物騒なもんはいらんわな」 手をひらひらと振り、天海も素っ気なく返す。 「OH、コレは手厳シいデスねー」 男はバチンと音を立て額を叩く、大袈裟なリアクションを取りつつも冷静に状況判断を行う。 少しばかりのワナを張ってみたが、余り良い結果とはいかなかった。 天海は確実にアラスカの事を知っている、しかしこの爺さんがボロを出す事も無いだろう。 これ以上、深く掘り下げても得にならないと判断し、男は次の一手を繰り出す。 「オット、忘れテました。手土産は他ニモありマス、HEY、クイン!」 男が部下に指示をすると、灰色に輝く風呂敷包みが卓上に置かれた。 「これも進呈しマス、貴方ガタにはピッタりの一品デスよ」 男が軽く指を鳴らすと包みがはらりと解ける。 包みの中身は手土産と言えば手土産だろう。高級品とされていた時代もあった。 バショウ科バショウ属に属し、主に果実部分を食用とする植物。 つまりはバナナである。 これを見た一同の反応は様々であった。 天海は深く笑い、近侍達は激昂し、青年は拳に力を込めた。 その反応を見て、男も静かに笑った。ここはチャンスだと悟る。 「WHAT S?、どうしまシタか!滅多にお目二かかれない貴重品デスよ!モット、嬉しガッたらどうデスか。BOYのお小遣イでは手がデナイでしょウ、手にとっテもイーんですよ」 ハッハッハと大袈裟に笑う男、刹那、室内の三つの影が動く。 若き青年侍が怒りに任せ刀を抜こうと刀の柄に手を掛けた。 だが、柄を握ったその時には、青年の喉元には抜き身の刀身が、額には銃口が向けられていた。 その動作を認識できたのは、室内ではそれぞれお互いのみであったろう。 即ち、剣を抜いた天海と、銃を抜いた男の部下、クイン。 その二人だけがお互いの卓越した技量を推し量っていた。 「う、う…うあ……」 「控えよと、……言わんかったかのう」 天海が一声発すると、室内の温度が急激に下がるかのような錯覚を皆が覚えた。 それは、男もクインも例外では無かった。 クインがいつの間にか、拳銃を下ろしていた事に気づくまでたっぷり5秒はかかったであろう。 誰もが、一瞬で天海に臓腑を握られたように縮こまっていた。 その中でいち早く立ち直ったのは、この場で唯一、天海とまともに交渉が出来る男。 アメリカ合衆皇国より勅命を受け、武田幕府に対して開国を迫るように命じられたその人、『提督(アドミラル)』であった。 「OH!カミカゼ!今のはイアイですね」 『提督』はおどけてみせたが、しっかりと理解していた。 目の前の老人が本気を出せば、瞬く間にこの部屋は惨劇の渦に巻き込まれることを。 「ふん、昔とった杵柄じゃわい。年寄りを働かせるな、バカモン」 刀の腹でべしんと青年侍の尻を叩く。緊張した空気が徐々に弛緩していく。 「おい、お嬢ちゃん……、銃は好きかい?」 天海は、一瞬で刀を仕舞うとクインに問い掛けた。 ここまで クインは困惑しながら、『提督』を見やる。 「答エてあげナサい、クイン」 天海から目を逸らさず『提督』は答えた。 「YES……」 伏し目がちにクインは答えた、黒い頬に少しばかり紅が差す。 クインは元々は奴隷の身分であった、先頃アメリカ合衆皇国で行われた南北戦争の結果、解放されたのだ。 「儂も銃は好きじゃよ、殺し間って知っとるかい……知らんか、二百年も前の話じゃからのう」 天海はむんずと、卓上のバナナを掴み取り、一房千切ると皮を剥いた。 「天海様!」 近侍や青年侍が声を荒げるが、天海は気にも留めない。 「毒なぞ入っとりゃせんよ」 モムモムとバナナを咀嚼しながら、天海は鈍く輝く風呂敷包みを手に取った。 「全く貴様ら、こんな安い挑発に乗せられおってからに……」 天海は部下に対してボヤきつつ、二口でペロリとバナナを平らげ皮を投げ捨てる。 「しかし、お主も人が悪いのう」 「OH、ナンでデスか?ワタし嘘いってまセンよ」 「確かに貴重品じゃわいのう、この風呂敷包み……確かミスリルとかいっとったのう」 バツが悪そうに『提督』は頬を掻く。 「あらラ、バレてマシたね」 「ふん、そっちの女子を見れば、気付いて当然よ。貴様もそのつもりで連れて来たろうに」 クイン達は、ダークエルフと呼ばれる先住民族であった。 その肌は黒く、耳は長かった。 精霊を信仰し魔力の扱いに長けたが故に支配され、奴隷に身を堕とした。 そのダークエルフ達が、魔力を増幅する金属として発掘・加工していたのがミスリルであった。 ミスリルはレアメタルの中でも特に希少価値が高く、その加工技術は門外不出である。 しかし、弾性や電導性、各種合金の有用性からハイテク産業は勿論、軍需産業までもが欲しがる夢の金属であった。 しかし、現状、余りの流通量の低さゆえ実用化に至っているとは言い辛い代物である。 「これを出してきたという事は……加工技術を公開する用意があるということじゃな」 「オフコース!、モチ論、条件がありマすが……」 コツコツと天海の指が机を叩く 「ミスリル……新潟……、つまり佐渡ミスリル鉱山の採掘権じゃな」 「ザッツライト!」 新潟の遥か北に佐渡という島がある。 そこは異界である新潟と現界の間となる、とても特殊な場所である。 植生なども独自の進化を遂げており、希少なミスリルも大量に埋蔵しているとの報告があった。 しかし、佐渡は新潟に近いせいもあり野生のコシヒカリや上杉謙信が大量に徘徊しており、採掘は極めて危険を伴う。 その為、自前で加工技術を持たない武田幕府は積極的に採掘を行おうとしなかった。 しかし……もし加工技術が手に入るとしたら…… 「確かに魅力的な話じゃわいな……」 「どうデショう、考えテ頂けマスか?」 天海は考える……この交渉の真意はどこにあるのかと。 目の前にいる男は、間違いなくアメリカ海軍の重要ポストだ。 それは、窓の外に見える景色からも間違いなかろう アレだけ吹っかけてきたのは、ミスリルの件があった為であろうか。 総合的に考えれば、トントン……いや武田の得になるのではないか…… だから……だからこそ、天海は考える 何か匂う、裏があるのではないかと。 老獪さを極めた天海の勘が警鐘を鳴らす。 「……お屋形様に話は通してみよう」 天海の疑惑の念は消えなかったが、まずお屋形様にお伺いをたてる事が先決と判断した。 「OH!感謝シます。暫くハ日本近海に逗留シますので……」 「その事じゃが……、アレは本国に返してもらう訳にはいかんかの?」 天海が視線を窓の外に移す。 「母艦デすので、無理ですネー」 ここ、甲府の地からでもはっきりと遠くに見える黒い雲 いや、それは雲と言うには余りにも大きく遠くまで続いていた 太平洋上に浮かぶのは四隻の戦艦。 旗艦ロードアイランドを筆頭にユタ、アイダホ、ミネソタ…… アメリカ合衆皇国が誇るステイツフリート、国土そのものを戦艦として改造した巨大兵器である。 今、日本に来ているのはたった四隻である、しかしその四隻は日本の総国土の凡そ2倍の面積を備えていた。 「次ニ会う時ニハ、良い返事が頂けると信じていマスよ」 その後話し合いは静かに進み、そして一旦終わった。 「お疲れ様でした、ポータルでお送りします」 若い青年が苦々しい表情で『提督』を見送ろうとする。 天海の姿は既にここにはない、恐らくお屋形様の判断を伺う為に、宇宙要塞「躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)」へ向かったのであろう。 「イヤ、結構。ポータルなら自分で『開け』マスのデ」 彼が指を鳴らすと、転送用のポータルが音もなく開いた。 「な……」 唖然とする青年の肩を軽く叩き、『提督』は囁いた 「TOO YOUNG……」 そして、そのままポータルの中へと消えていった。 旗艦ロードアイランドにて ロードアイランド州議会の本会議場であった建物が、現在は司令部として使われていた。 歴史を感じさせる古い椅子に腰掛けた『提督』はゆっくりとパイプを吹かす。 「しかし、馬鹿な猿の相手は疲れるな、クインよ」 「……お疲れ様です」 二人はとても流暢な日本語でやり取りを交わす。 「本国には、どの様に報告いたしましょうか」 「委細問題無しとだけ伝えておけばよい」 「……承知しました」 机上のスフィア型端末を起動する。映し出される映像は希望崎学園と呼ばれる掲示板であった。 新着情報がないかざっと目を通す。情報は幾らあっても困らない、何せこれから(見かけ上だけとはいえ)命を賭けるのだから。 パイプを燻らす……今回の勅命に成功すれば、並べるはずだ。 焦燥、興奮、愉悦、諦観、様々な感情が入り乱れた己の内面を眺めながら反芻する。 『目の前の老人が本気を出せば、瞬く間にこの部屋は惨劇の渦に巻き込まれることを。』 そう、これは間違いではなかった。但し、それ即ちこの男が被害者になるという意味でもない。 「クイン、あのご老人と俺が戦ったら、どっちが勝つと思う?」 「分かりかねます」 「ほう!」 興味深そうに相槌を打つ、口から白煙が漏れる。 「私は『提督』が負けた所を見た事がありませんので……『提督』が負ける事があるのかどうか自体が分かりかねます」 「気の利いた答えだな、クイン」 だがな……と、心中で彼はぼやく 俺は今まで一度たりとも勝ったことなど無いのさ…… 彼は一際大きく白い息を吐いた。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/80.html
「司令官ー?司令官ー?」 コンコン、と何度も執務室のドアを叩く音が鳴った。ドアの前に立つ暁はむぅ、と頬を僅かに膨らませる。 「勝手に入っちゃうんだからね!…失礼しまーす」 静かにドアを開けると、中には誰もいなかった。秘書艦の姿も見えない。 「もぅ!暁が遠征から帰って来たのに…でも予定より早かったからなぁ」 遠征にいっていた暁が率いる第二艦隊は十三時に帰投予定であった。それが一時間半以上繰り上げて十一時三十分に母港へ到着した。任務は失敗せず、物資のお土産付きである。 「もしかしてお昼に行ってるのかしら… 暁もお腹が空いたし食堂に行こう」 そう思いドアを閉めようとした時に執務机にあるノートパソコンが暁の視界に入った。ドアの隙間は縮まらず、やがて広がって暁は執務室へと入り込んだ。トテトテと机の後ろに回って椅子の隣に立つ。 暁の視線はノートパソコンに釘付けだ。目はランランと輝いている。閉じたノートパソコンに手を伸ばしてディスプレイを開けた。 「ちょっとだけ…」 この基地では艦娘が希望すれば各々にノートパソコンは配給されていた。しかしパソコンには強力なフィルター設定があり、アレやコレやソレなサイトはすべて猫妖怪の画面になっていた。多少の抜け道はあるらしいが、それを知っている者は他の誰にも教えなかった。教えてしまうとその方法が広がってしまい、しまいには二度と使えなくなるからだ。以前そういうことがあったので彼女たちの口は固かった。しかし、提督のパソコンは違う(はず)。提督のパソコンなら何でも見れる(はず)。以前青葉がコッソリ提督のパソコンで色々見たと聞いたことがあった。その色々というものに、暁は興味を持っていた。 ノートパソコンは既に起動していた。提督は電源をいれたまま出て行ったようだ。暁はワクワクしながらマウスを動かしてインターネットのマークをクリックする。 【パスワードを入力してください】 「!!」 画面に大きくダイアログが表示されていた。パスワード!もちろん暁はそのパスワードを知らない。これではネットワークに接続できなかった。青葉の話を聞いた時はパスワード画面が出たとは一言も言っていなかったはずだ。もしかしたら提督は青葉の件を何となく察してパスワードをつけたに違いない。暁はガックシと肩を落とした。 「つまんない…」 暁はパソコンを閉じようとした、が、ディスプレイに表示されている【aktk.txt】というアイコンに気付いた。他のアイコンはワードとかエクセルとか、オフィスソフトのショートカットが並んでいたが、そのテキストファイルだけは何か違うものを感じた。 「何だろう?」 パスワードがかかっているかもしれないが、とりあえず暁はそれをクリックした。パッとすぐにテキストが開いた。パスワードはかかっていなかった。 文字の羅列が暁の目に飛び込んだ。その文章を上から順に読もうとしたら、文章の中にある【暁】という言葉を見つけた。 「暁のことが書いてある?」 不思議に思いながら読んでみると、文章の中の暁は提督と会話をしていた。暁はさらに首を傾げた。そこにある会話を提督とした覚えが暁には全くなかったからだ。 「日記…?でもなさそう?」 読み進めていくと文章の中の暁の挙動がおかしかった。まるで提督に恋をしている女の子みたいだったからだ。提督の態度もおかしかった。そんな暁に対して妙なことを考えていたからだ。その、とても、いやらしいことを。 「………」 暁は無言で読み続けた。文章の二人の距離が近づき、――――――キスをした。触れ合い、抱き合い、服を脱がし、愛撫し、――――――とにかく恥ずかしい行為をやり始めた。読んでいる暁の顔が段々と赤くなり変な気持ちになっていく。 「な、何これ……」 読むのを止めればいいのにどうしても止められない。文章の行為は激しさを増すばかりだ。暁自身の体も火照っていく。 「さぁて、午後も頑張りますか」 執務室のドアが不意に開いて声がした。暁の身体がビクンっと大きく跳ねた。 「今日中の書類、早く片付けましょうね~」 「分かってるよ愛宕……ん?!暁?!」 提督は執務机の前にいる暁を見てギョッとした。後ろから来た愛宕はあらあら、と呟く。 「お、お前もう戻っていたのか…って!?何をしている!」 「しっ 司令官…あの、その…暁は…」 言い訳をしようとすると頭の中で文章の行為が生々しく再現された。しかも目の前にはその提督もいて暁を見ている。暁は段々と居た堪れなくなって走り出した。 「暁?!」 素早く提督の横を走り抜け暁は部屋から出て行った。 「あいつ、どうしたんだ…?」 「顔が真っ赤でしたね~ 風邪でも引いたのかしら?ちょっと様子を見て来ますね」 「あぁ、よろしく」 愛宕は暁の後を追い部屋を去った。提督は不思議に思いながら執務机に近づく。 「全く、俺がいない間にパソコンを触るとは…ネットにはロックをかけていたから出来なかったとは思う、が…… ?!」 ディスプレイを見て提督の顔から血の気がサァーっと引いた。暁が読んでいたテキストファイルが開きっぱなしだったからだ。 「こ……!これは!あ、あいつもしかしてこれを読んで……あ、穴があったらいれたい…いやそうじゃなくて!」 提督は頭を抱えた。実はそのテキストファイル、提督が2chの艦これのエロパロスレで投稿しようと考えていた話だった。実はこの提督、暁にゾッコンである。あのロリボディにアレをソレしてコレしたいというムラムラした欲求を抱いていたが、いたいけな少女に性欲をぶつける行為に罪悪感を感じ、我慢していた。しかしその欲求は溜まる一方――――――なので妄想を形にしてエロパロスレに投稿し発散しようとした。しかし書きながら恍惚とした気持ちと同時に罪悪感の責め苦に悩み、盛り上がりシーンを書いたままそのまま放置し、投稿もせず削除もせずに眠らせていた。自分で書くのは良心が痛むので他の職人の投稿を待っていたが、暁メインの話はほとんどないしエロい目にも遭っていない。暁は穢れぬまま綺麗だった。それはそれでいいが、やはり寂しい。かといって中途半端の自分の話を投稿するのも気が引ける。提督は他の艦娘の話を脳内で暁に置き換えて妄想する術を不本意ながら身につけ、それで欲求を満たしてきた。しかし、しかし、もったいないからと思ってゴミ箱にも捨てずにディスプレイに置いていたせいで、まさかの本人に読まれるとは、どうしよう。どうすればいいんだ―――――― (でもあの真っ赤な暁…可愛かったなぁ) 部屋を飛び出した時の暁の表情。最高にそそる。提督はムラムラしてきた。下半身に熱が集まる。提督は前屈みのままトイレへと向かった。トイレへと急ぎながら、今ならあの続きが書けるかもしれない。そう思うのであった。 その後暁が提督と距離を置くようになったのは、別の話。 スレの埋めネタなので続かない。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/567.html
714 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 16 54 ID OP/4A0t2 濡れ場のリハビリがてらに書いた駄文ですが投下します ※キャラ崩壊してるかも ※独自設定っぽいのあり 海沿いのある町の、その外れにぽつんと佇むコンクリートの小さな建物。 訪れる者のいないこの建物に提督が一人と艦娘が一人、ひっそりと暮らしている。 それほど大きくない町の、更にその郊外だけあって、周りには海以外何もない。 とは言え、別にこの提督が極度の人嫌いだとか、人目を憚るような訳があるとか、極秘任務に就いているとかいう訳ではない。 いや、任務と言えばそうなのだが― 数か月前、人類は深海棲艦と無期限の停戦状態に入った。 深海棲艦側としては、既に人類に対抗するだけの組織も、それを維持するだけの兵站もなく戦争を継続するのが困難になった。と言うのが一番の理由だ。 開戦当初こそ人類に対し攻勢に出ていた深海棲艦だったが、当初の計画よりも早く、そして広範囲に拡大した戦線は、やがて兵站の限界を超えてしまった。 その上緒戦の勝利によって徐々に現場至上主義が蔓延り、司令部を無視しての更なる戦線拡大が恒常化し始めた。 しかしこうした野放図な戦線拡大がいつまでも続く訳がなく、やがて最前線でも補給が滞り始めると、孤立した前線の艦隊は真っ先に人類側反攻作戦のターゲットとされた。 人類側の高度に組織化された軍隊や、大量投入される艦娘やその他の兵器、それらを維持するだけの生産力と兵站管理能力の前にこうした艦隊は次々と掃討され、 各海域で戦線の崩壊が起こると、士気低下や補給の停滞、更に現場至上主義の弊害として命令系統が混乱。 平然と命令無視や残党の軍閥化が頻発し、もはやだれが敵なのかも分からなくなってきていた。 こうして四分五裂した深海棲艦は急速に弱体化、戦争の継続はおろか、上層部はまともに命令に従う戦力がどの程度残っているのかも把握していなかった。 ―上層部もまた、そうした問題より自分の軍閥の拡大に重きを置いていた。 こうして始まった泥沼の内部抗争により人類との停戦を申し入れ、人類側もこれに対していくつかの要求をのむことを条件に停戦に応じた。 結局、戦争という行為に関しては、有史以来それを繰り返している人類の方が一枚も二枚も上手だったという事だ。 この停戦により各地の鎮守府や泊地とそこに溢れかえる提督や艦娘はその存在意義が薄れ、多くは除隊か、沿岸監視の名目で各地に飛ばされた。 その沿岸監視とは名ばかりの飼い殺しにあるうちの一人が、この小さな建物に暮らす提督である。 715 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 22 48 ID OP/4A0t2 「おはようございます提督。ご飯にしましょう」 その飼い殺し提督と一緒にいるのが、今や彼の艦隊に唯一所属している艦娘となった伊勢であった。 戦後、他の艦隊に引き抜かれたり、自ら希望して解体され、普通の女性として除隊した者達が多い中、彼女は最後まで艦隊に残っていた。 「ああ、用意してくれたのか。済まないな」 寝ぼけ眼で小さな卓袱台に並べられた二人分の朝食を見て、提督は申し訳なさそうに言う。 「気にしないで。さ、食べましょ」 伊勢はそう答えながら提督を促し、自分も卓袱台の前に座る。 「「いただきます」」 二人向かい合って朝食をとりながら、提督はふと伊勢を見つめる。 「どうしました?私の顔に何かついている?」 「いや、見慣れたと思ったが、艤装をしていないと小さく見えると思ってな」 最近、伊勢は艤装をしていない時間が増えた。 以前の様に戦う事がなくなったので当然と言えば当然だが、身軽な今の姿は彼女を妙に小さく見せる。 やがて食事を済ませた二人は一緒に食器を洗い終えると、それぞれの業務に就く。 といっても大したものではない。 伊勢は外していた艤装を装備し、浜辺に出て瑞雲を発進させる。 名ばかりとは言え沿岸一帯の監視が任務である以上、日に何度かこうして哨戒を行い、ついでに感覚を忘れないために自主訓練を行う。 提督は周辺の見回りや施設内の保守点検、昨日までの報告の作成、時折司令部で行われる合同演習や図上演習等が仕事となる。 勿論、どちらも一日中やっている訳ではないため、他にやることがあるとすれば施設内やその周辺の清掃、海岸のゴミ拾いぐらいだろうか。 それでも陽の傾き始めるころには大体が終わってしまう。 飼い殺しと呼ばれる所以はここにある。 何重にも警戒態勢が敷かれ、無条件降伏に近い条件を呑ませて停戦した今、 深海棲艦が近海まで現れることはなく、辺鄙な田舎町の郊外で事件など碌に起こる訳もない。 一度砂利道でパンクしていた車を見つけ、ジャッキを持ってきてタイヤ交換を手伝ったこともあったが、精々その程度だ。 無論、こうした業務に大した報酬がある訳でもなく、 提督には最低限の生活物資の補給がある代わりに、戦時中に比べれば雀の涙ほどの給与で糊口をしのいでいる。 716 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 26 41 ID OP/4A0t2 この日も何ら変わりなく、西の空がオレンジ色に染まるころにはすべての業務を終えて提督が風呂を、伊勢が夕食の準備を始めていた。 こうした代わり映えしない日々や旨みの無い待遇に嫌気がさして除隊するものも多く、軍縮を迫られている上層部としてはそれが狙いでもあった。 「さて、今日も一日平和だったな」 提督は風呂を洗いながらこの頃この時間の口癖となった言葉をつぶやく。 伊勢からも特に何の異常もなかったとの報告を受けているが、そもそも異常があったためしがない。 「……これなら辞めたくなる奴が多いのも分かるな」 そう言いながらも提督はそのつもりは無かった。 それから暫くして、風呂の準備が整うとほぼ同時に夕食も完成した。 いつも通り、二人ともまずは先に風呂に入り、それから夕食となる。 普段なら二人分の食事が並ぶだけの食卓に、提督の懐では少し無理をした銘酒の小瓶が置かれている。 「「いただきます」」 いつもの通りの夕食に加えてコップ酒が追加された卓袱台。 しかしコップは三つ出されていた。 三つ目の前には何人もの名が刻まれた位牌が一つ。 今日はかつての仲間の命日だ。 戦争末期、深海側最後の抵抗とされた激烈な戦闘があった。 練度の足りない新兵たちまで駆り出し、補給も受けられないままに戦いを挑んだ深海棲艦の敗北は最早目に見えてはいたが、 それでもいくつかの艦隊との間では死に場所を求めたような古参兵の猛烈な抵抗に遭い、少なからず損害が出た。 その損害の一つが、この提督の艦隊。 そこには改装を終えたばかりの伊勢の妹もいた。 それからすぐに戦争は終わった。 仇討ちも弔い合戦もなく、その機会は永遠に失われた。 そして今、こうしてその死を悼むことが残された二人に唯一出来る事だった。 717 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 29 22 ID OP/4A0t2 その夜、二人は同じ布団の中にいた。 「伊勢……今日もいいか?」 「はい。提督……来て」 上になった提督が伊勢の首に手を回し、唇が触れ合う。 提督の舌が伊勢の歯の間から口の中に滑り込み、伊勢の舌とくちゅくちゅ音を立てて絡み合う。 それに合わせて提督の腕が伊勢の背中に回り、伊勢と密着するように強く抱きしめる。 互いが互いの舌を味わい、一度口を離して見つめあい、また再び口と舌が交わる。 口の中を十分に味わうと、興味の対象は下に移る。 提督の手は伊勢の形の良い胸に伸び、その広い掌で揉みしだく。 「んっ…!くふっ……」 乳房の形が変わる度に伊勢の口から声が漏れる。 いつもの黒インナーは着ずに、肌の上に直接白い上着を着ているため、少しはだけさせるだけで提督の手が直に伊勢の乳房に触れる。 手だけでは足りなくなったのか、提督は乳房の先端に吸い付き、舌先での愛撫を始める。 「ひゃん!あっ、ああっ」 提督の舌が何度も往復し、伊勢も何度も嬌声を上げる。 提督によって徐々に敏感になってきた伊勢の体は、舌が通る度に快楽の津波が押し寄せ、艶のある声が闇に響く。 口を乳房で塞いだまま、指は伊勢の股間に滑り降り、彼女の秘所に少しずつ侵入していく。 「ひゃっ、ああっ!提督っ!!ていと―くひゃあ!」 提督の指が、くちゃくちゃと湿った音を立て、伊勢の中へと沈んでいく。 「ふあっ、くうっ……!ううぅ……!!」 母乳を求める子牛の様に、提督の指は伊勢の蜜に向かって進み、トロリとしたそれを全体に纏わらせていく。 「くひっ!!ひううっ!!はぁ……はぁ……はぁああっ!!」 汗ばんだ伊勢から放たれる雌の匂いが、提督の嗅覚に絡みつく。 718 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 32 17 ID OP/4A0t2 「行くぞ……」 「はい……。ください」 提督のむき出しになった一物が、伊勢の膣に触れる。 十分に濡れた伊勢のそれは咥えた一物をスムーズに奥へと進ませていく。 「くううぅ……ああっ、くああ!!」 奥まで一物が入り込むにつれ、提督の腰づかいも激しさを増す。 「くふうっ!!ふあ、ふぁあああっ!!」 「伊勢!伊勢ぇっ!!」 喘ぎ声に応じるように、提督も伊勢を呼ぶ。 腰を動かし、一物を押し込むように提督の動きは激しさを増す。 「うあっ!あん!提督!!提督!!ひゃひぃ!」 「伊勢っ……!くぅ、うっ……はぁ……」 提督が絶頂を迎え、伊勢の中にぶちまけた。 「くうっ、うっ…ああああーっ!!」 伊勢もまた絶頂に達した。 行為を終え、静まり返った闇の中、提督は伊勢をその腕の中に抱いていた。 その目には涙が浮かんでいる。 「大丈夫よ。私はちゃんと傍にいます」 その声にこたえるように、提督の腕はよりしっかりと伊勢を―彼に残された唯一の心許せる相手を抱きしめる。 人間の友も、自分を慕ってくれた艦娘も看取ってきた彼は、帰る場所も頼る人もいなかった。 彼の家には誰もいない。 彼を迎え入れてくれるはずだった家族は、戦乱の中で皆死んでいた。 家族も仲間も失った彼に平和な世界は広かった。 たった一人で生きるには広くて広くて、途方もなく広くて広すぎて、無性に悲しかった。 結局、戻ってきたのはかつての仲間の場所。 それが唯一の心の支え、唯一の存在理由だった。 伊勢もまた同じだった。 大事な妹や仲間を失い、解体されることを考えた彼女にもまた世界は残酷なまでに広かった。 結局、戻ってきたのはかつての仲間の場所。 彼女もそれが唯一の心の支え、唯一の存在理由だった。 719 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 34 03 ID OP/4A0t2 結局二人は似た者同士、帰る場所もない家なき子。 この関係を女々しい傷の舐めあいと言われれば、二人とも否定する気は無かった。 だがいったい誰がその台詞を言えるだろう。 戦い続けて傷ついた末、居場所を失って彷徨い、ようやく手に入れた安息をだれが否定できるだろう。 「提督。私はずっと傍にいます。だから―」 伊勢は提督の胸元に頭をうずめる。 「提督も傍にいて。私の傍に」 かつて『くろがねの館』と呼ばれた艦があった。 終戦後、解体される予定だったその艦に家を失った人々が住みつき、その艦をそう称した。 そして今、同じ名の艦娘はまた戦争で行き場を失った者を支えている。 彼女自身も、支えられながら。 終 +後書き 720 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 38 56 ID OP/4A0t2 以上スレ汚し失礼しました。 以前から度々あった伊勢さん書きたい病の発作が出たので投下しました。 もっと木造迷宮っぽい感じにしたかったけどどうしてこうなった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/